3号突撃砲C/D型 製作記 その1

これも、結構キットが出ていますが、決定版がない車両のひとつですね。いつもの2ケイチで料理します。

1 使用キット

久々にジャーマングレーの車両を作ってみたくなり、短砲身の3号突撃砲をチョイスしました。
3号系はドラゴンからもリリースされていますが、手元には左画像の2つのキットしかなかったので、トランペッターのキットをベースにレベルからパーツを流用していきます。

それにしても、トランペッターは購買意欲が削がれるパッケージですよね。…中身もちょっと怪しい感じですが。

2 車体下部の製作

車体下部はレベルの3号を使うことにしました。

3号の特徴であるむき出しのサスペンションチューブは、車体側面と一体成型なので、プラ棒でリセットしました。
(ドラゴンの3号では別パーツとなっています。)

また、チューブの上部がキットでは斜めになっていたので、一度切り離してから垂直になるように再接着しました。
一方、チューブの下側にあるストッパーは、斜めが正しいのにキットでは垂直になっていたので修正しました。

※上側の画像は、比較用に右側面の画像を反転させたものです。

車体後部の誘導輪の調整装置は、サスペンション同様、調整用のロッドが車体側面と一体成型だったので、真鍮線でリセットし、車体側面との間に隙間をつくりました。

上側に白く見えるプラ板は、車体上部と接合するためのガイドです。

3 車体上部の製作

【フェンダーの切り離し】
車体上部はトランペッターを使いますが、フェンダー上には工具類が一体成型で再現されています。
また、フェンダー表面のすべり止め加工が再現されておらずツルツルです。
どうせこの状態では、かなりの修正が必要になることから、思い切ってフェンダーをレーザーソウでカットしました。

【点検ハッチのヒンジ】
トランペッターのキットでは、車体パーツがE型と共用なのか、前部点検ハッチのヒンジがE型以降に採用された形状だったため、レベルの3号から流用してC型のものにしました。
厳密にはこれもちょっと形状が違うのですが、まあ良しとします。

4 車体の接合

フェンダーがないおかげで、この段階で車体上下を接着することができ、いつも接合に苦労する車体前部をきれいに成形することができました。

また、車体後面では、下側にある点検ハッチのフタは、レベルではボルト4か所で固定する四角い形状となっていますが、これはトランペッターのボルト3か所で固定する三角形が正解です。

5 戦闘室の製作@

照準器が出る開口部は、ちょっと形が違っています。
(左側がキットですが、わかりやすいようにパネルラインを赤くしてあります。)

まず、三角形の部分の長辺が、キットではカーブしています。
これを直線にするため、プラ板でリセットしました。
また、開口部右側が、キットでは鋭利な三角になっているので、丸みを帯びた形に広げました。
ちょっと広げすぎたかも。

また、一体成型だったハッチはピンバイスでおおまかな形にくり抜いたあと、デザインナイフでエッジを整えながら開口しました。

6 戦闘室の製作A

全体的にヒケがあるのでヤスリがけをして面出しをしようと思いましたが、エッジもダルかったので、戦闘室側面のスペースドアーマーを切り取って、側面を垂直な状態で再現しました。
斜めの装甲板は、実車と同じようにこの側面板の上にあとで追加します。

また、主砲の基部も、いったんプラ板で塞いでから形状の修正をしました。

7 戦闘室の製作B

@ 主砲基部はただの四角だったので、正面から見て中心部から左右に下がっていく横長の六角形のような形状に修正

A 角がまるくなっていたので、鋭角に修正

B ペリスコープはピンバイスで開口

C 操縦席のクラッペは、裏側にはホゾがあるのになぜが表面が埋まっているのでナイフで開口

また、戦闘室の天板にはボルトがモールドされていましたが、実車はマイナスネシなので、ボルトを削り取ってピンバイスで窪みを穿ちました。

8 主砲の製作

@ 別パーツに見えるようにケガキ針で溝を掘りました。

A 別パーツに見えるように、いったん切り離して再接着

B ボルト受けをプラ板で自作

C 中央部から左右に下がっていくように面を修正

D プラ板でディティールを追加

また、砲身基部はプラ板で増厚し、台形型に削って形を修正しました。(画像の赤い線部分)

ほかにも防盾裏面にもディティールを追加しました。

9 室内の製作

車体に戦闘室を載せてみると、ハッチなどの開口部から中が見えることに気づきました。
フィギュアを乗せるとほとんど見えなくなるので、シルエットがわかる程度に車内を再現しました。

すべり止めになった床板は、sdkfz251ハーフトラックのパーツを使いました。
また、車体前側は戦闘室前端まで開口部を広げてあります。

10 砲架の製作

砲架もハッチの開口部からチラリと見えるだけなので、基本的な形だけ再現しました。

ただ、最終的に照準器をつけたときにちゃんと砲手の眼前にきて、さらに天板上部の切り欠きから上半分が出るような位置になるように、何度も仮組みして現物合わせで上下左右の位置を調整しながら作りました。

砲尾ブロックは、プラ板を段違いに積層して作りました。
また、砲架左側につく砲手の操作機構は詳細な形状が不明だったので、雰囲気重視で作りました。

11 フェンダーの製作

フェンダーは、車体から切り離したキットパーツの表面モールドをはがして、エッジをたてて平面を出す作業をしてもよかったのですが、形状が簡単なので、プラ板を切り出しても作業時間はあまり変わらないので自作しました。

表面の滑り止め加工は、多少オーバースケールですが、ファインモールドの「メタルプレートすべり止め 05 Dot Pttern AE-13」という0.5ミリピッチのドットが入っているエッチングシートを使いました。
また、プラ用接着剤と違って瞬間接着剤は溶けてしみ込んだりしませんので、表面へのはみ出し防止のため、プラ板に接着剤を裏面側に逃がす穴を開けました。

フェンダーのダメージ表現も、金属なのでリアルな感じに仕上がります。

12 基本工作終了

いったんこの状態で塗装に入っていきます。

 

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