JS-2m製作記 その2

車体の切った貼ったをやって、のっけから絶賛暴走中だった第1回目の製作記でしたが、小さなパーツをつけてイッキに完成です。

1 足回りの製作

忘れていたフェンダーを0.25ミリプラ板で再現しました。独軍車両だとフェンダーは車体に合わせて角度や幅が細かく変わりますが、これは長方形のプラ板をペタッと貼り付けただけです。
赤軍戦車は実車同様、作業工程が少なくていいですね。

その後、あとで作業がしずらい車体側面にパステルをまぶしてから、車輪を車体に組み込みました。

2 車体の塗装
   
@ 下地には旧日本軍戦車の迷彩色の「草色」(カラー134)を使用。
1回で色がのるような濃度の塗料だと、貼りつけた鋳造番号などのディティールが塗料で埋まってしまうので、薄めの塗料を乾燥させては塗り重ねました。

A ドライブラシの上塗りには米軍のチャコール迷彩用グリーン「FS34102」(303)を使用
赤軍戦車の色は解釈がまちまちで、雑誌の作例でも多様な色味の緑で再現されています。今回はクレオスの指定色である「ロシアングリーン2」を使わずに、明るめの緑にしてみました。

B 最後に上記のグリーンにセイルカラー(45)とつや消し白(62)を少量追加した色でエッジを中心に全体に軽くドライブラシをかけて艶を調整。 上と比べてエッジが少しはっきりしたのと、艶が控え目になったのがわかるでしょうか。

ツギハギ車体に色がつくと、ちょっと寂しいですね。(笑)

   
3 砲塔の白帯

JS−2といえば、ベルリン戦での敵味方識別用の白帯です。
これは4月20日に急遽決まったため、車両によって塗装方法がばらばらだそうですが、今回は私の好みで、砲塔上面の対空識別用の十文字は描かずに側面の白帯だけの車両にしました。

白帯も車体色同様、表面の鋳造再現を損なわないように薄めた塗料で塗っていきますが、あまり薄めすぎると車体色が浮き出てくるので注意が必要です。

マスキングはあくまでも定規がわりで、エアブラシではなく筆を使い、実車のハケによる手書きの感じがでるように、エッジが直線にならないよう意識的に雑に塗りました。

4 履帯の選定

転輪や砲身同様、履帯も各メーカーで出来が違います。
 @ PST 〜 何にも似ていない。どうしよう
 A イタレリ 〜 悪くはない。(後期型履帯っぽい?)
 B フジミ 〜 サスガ!
ということでフジミを使います。

ただ、フジミのJS−2を作った人はご存知のとおり、繊細な履帯はニッパーではなくナイフで丁寧にランナーから切り離さないとパキパキを折れてしまいます。ご注意を。

5 履帯の製作

作業手順としては、
@ 塗装はランナー状態で済ませる
A とろとろ系接着剤で片側をイッキに組む
B 接着剤の硬化前にグリグリやって、隙間ができないようにパーツ位置を調整
C 位置が決まったところで流し込み接着剤で固定
D 接着剤の硬化後、塗装が溶け出した部分をリタッチ

1/76用の履帯なので72に流用するとコマが足りなくなります。
そこで、ディオラマにしたときに見える側に優先してパーツを使い、反対側は不足したスペースを適当に塗装したプラ板で埋めておきます。
いえ、いいんです。どうせ見えなくなるんだから。(イイノカ?)

6 溶接跡の再現

まずは、あまり細かくない部分の追加工作です。
赤軍戦車の魅力(?)である「雑な仕上げ」を再現します。

@ 溶接跡
溶接跡は接着剤添加パテ(「How to〜」を参照)で再現
※溶接跡をこの段階で造作するのは、塗装前だと塗料で細部が埋まってしまいますし、もっと後の工程だと細かいパーツがマスキングの邪魔になるためです。

A 鋳造の湯口
エポパテを使って、少し大げさに再現しました。
砲塔下部だけでなく、防盾やマズルブレーキの下側にもつけました。

ちなみに運転手用の視察孔はフジミのパーツです。

7 パーツの追加(その1)

塗装が終わってからディティールを追加するのは…

@ 車体にドライブラシで塗装をすると、どうしても段差などに塗料が多くのってしまうので、細かいパーツのシャープさが損なわれてしまう
A 小さなパーツだと、塗装以前に筆があたると破損してしまう
…ためで、追加したパーツはドライブラシではなく普通に筆塗りです。

車体は「下地+上塗+上塗」と3段階なので、追加パーツに上塗の色だけを塗っても車体と同じ色にはなりません。そこで、これらの色を混ぜ、車体の仕上がった後と同じ色味になるように調整して塗っていきます。

ちなみに、防盾の横断面でわかるように、装甲板の切断面の再現は、コンパスの針で細かく刻みを入れて再現しました。

8 パーツの追加(その2)

砲塔や運転席のペリスコープ、左フェンダー上の道具箱、そして燃料タンクのラックはドラゴンのパーツを流用しました。

車体後部の円形パネルには、0.8o径の窪みを作り、そこに0.4oプラ棒をカットしたものをはめ込んで、ハッチ固定ボルトを再現しました。

9 パーツの追加(その3)

全体像はこんな感じ

このあと、追加パーツの塗装時に、ハッチや牽引ワイヤー、燃料タンクなどのパーツを追加します。

10 仕上げ塗装

塗装は、いつもの手順で…
  @ エナメルの黒と茶で墨入れ
  A ジャーマングレーとレッドブラウンでハゲチョロ
  B 銀でエッジを撫でて金属表現
と施してますが、今回は赤軍戦車っぽくするため、いつもより派手に汚してあります。

ハゲチョロは、先が曲がった「J筆」を使ってチクチクと描いていきます。
砲塔の下など、見えない部分から始めて、調子が出てきたら見える部分に移っていきます。
参考までにどれくらいのピッチで描いているか、定規をあてて写真を撮ってみました。

砲塔横の番号ですが、フジミやイタレリの番号はきちんとしたフォントなのですが、PSTなどの東欧メーカーのデカールは手書き風のものが多くて魅力的です。 今回はAERの番号を使いました。

↓では、大きな画像をどうぞ(パステルワークはベースに載せてから。)

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