KV-2 製作記 その3

1 追加パーツの塗装

今回は、「平面が多くシンプルな車体をどうやって間延びしないように表現するか」という部分に注意しながら作業を進めています。
車体の基本塗装が終わって、各部にディティールを追加して、いよいよ完成です。

まずはリタッチの要領で、追加したパーツを塗装しました。

【ポイント】

装甲板の端の断面は溝が多いため、墨入れをするとそこだけたくさん墨が残り、周囲より暗く見えてしまいます。そこで、この段階では装甲板の断面部分は周囲より少し明るめに塗装してあります。
墨入れをすると、明るい地色と墨で、ちょうどバランスがとれた色あいになります。

2 車体の仕上げ塗装@

【油彩での墨入れ】

油彩で墨入れをしたら、1日おいてから拭き取ります。
墨入れをしてすぐだと凹部も一緒にとれてしまいますが、1日乾燥させると凸部だけを拭き取ることができます。
これ以上放置すると油彩が完全に乾いてしまい拭き取りが難しくなるので、油彩による墨入れは2日続けて作業できる日に行います。

溶接跡は伸ばしランナーではなくエポパテで作ったので、綺麗な直線ではなくウネウネと波打っていて多少大げさですが、車両の雰囲気に合っているように思います。
溶接跡とナイフでけがいた装甲板の断面に墨が入って、イッキに車体の情報量が増えます。 この段階での見た目の変化は劇的ですね。

3 車体の仕上げ塗装A

【ラッカーでのチッピング】
クレオスの137 タイヤブラックでチッピングです。
車体の塗装が剥げる原因は、被弾のほか、ジャッキなどの金属製の重量物を乱暴に置くとか、靴の裏のすべり止め金具がよく当たる部分などが考えられます。 シチュエーションをイメージして、実際に剥げそうな部分に描いていきます。
また、塗装が剥げただけでなく、そこに錆が浮いてきた部分を、クレオスの41 レッドブラウンを使って、下回りを中心に追加で描きました。
最後に金属らしさを出すため、クレオスbW 銀でエッジをキラリとさせました。

【エナメルでの雨だれ】
エナメルの黒と茶を薄めたもので、車体側面に雨だれを描きました。
また、平面にも薄くムラになるように塗って、単調な面に変化をつけました。

4 泥の追加

転輪をつける前に、車体側面に泥を追加しました。
(車体の前後など他の部分は製作の最後の工程で施します。)

【第1段階】
タミヤのウエザリングスティックとウエザリングマスター、ピグメントに、タミヤアクリル溶剤を少し加えて練ります。
するとペースト状になるので、これを爪楊枝で塗り付けました。
※フェンダーがはずれた部分にはマスキングテープで泥がつかないようにしました。

【第2段階】
さらにアクリル溶剤で湿らせた筆で上下方向になぞって、流れた跡を加えました。

5 足回りの製作@

転輪は、実車では同じ形のものを2枚重ねにしています。
しかし、キットパーツは内側の面にはモールドが再現されていません。
そこで、見えなくなる向こう側の転輪から外側パーツを流用して、こちら側の内側転輪として使うことにしました。

また、割れて部品がバラバラになった転輪は、一体成型されている転輪パーツを分割して作りました。

6 足回りの製作A

【上部転輪】
ゴム部がとれてホイールがむき出しになった状態を再現するため、周囲を削ってリムだけにしました。

【スクレーパー】
PSTもトランペッターも、キットパーツはもっさりしています。
ヤスリで削って薄くするより、形状が簡単なので薄いプラ板で自作しました。

【後部起動輪】
内側には、車軸のベアリング用なのか注油口らしきものがあります。
今回は履帯がはずれてこの部分が見えるので再現しました。

これらチマチマと部品を作ってきた足回りを組み上げます。
ここが今回の車両の見どころですね。

7 履帯の製作@

【考え方】

車体のこちら側の履帯は、クラッシュしてはずれた状態を再現します。
しかし、1枚の長いパーツでは、グニャグニャと折れ曲がった状態を再現することができません。
そこで、こちら側の長いパーツは車体の向こう側に持っていき、余ったバラのパーツをこちら側で使うことにしました。

【使用パーツ】

手元にはKV用の良い履帯がなかったので、JS用を使います。
JSとしては、フジミのものが出来がいいのですが、今回は以前JS-2を作ったときに余っていたイタレリのJS-2用を使いました。

実車ではKV用の履帯は700ミリ幅で、その後のJS用は650ミリ幅で、形状は似ていますが別モノです。
72スケールでは計算上0.7ミリほど狭いことになりますが、イタレリのパーツが正確なサイズ、形状かは不明なので、このまま履帯パーツ使います。

8 履帯の製作A

【使い方】

見えなくなる向こう側は、長いパーツはドライヤーをあてて柔らかくしてから、割れないように注意しながら少しずつ曲げ、これを履帯の前後の曲がった部分に使いました。
きつく曲げて折れるのがいやだったので、ちょっとカーブが緩いですが、まあ、見えないのでこれで良しとします。
見えない向こう側は、こちら側の転輪を作るために転輪が足りなくなったので、同径のPSTの転輪を流用しました。

見えるこちら側は、履帯のはずれた状態をイメージしながら、バラのパーツを接着しました。

9 追加パーツの製作@

細かくて触ると壊れるようなパーツは、破損防止のため、この段階で車体に接着しました。

【ハッチ】
手作業で同じものを4つ作るのはなかなか難しいですが、リムの段差を活かしてPSTの転輪を加工してハッチを4枚作りました。

【工具】
車体側面の牽引ワイヤー固定器具は、0.3ミリ真鍮線でシャープに作り替えました。

10 追加パーツの製作A

【車体】
車体側面のフェンダー支持架、機関室天板の吊り下げフックをプラ板で自作しました。

【履帯】
今回は遺棄車両なので、無塗装の履帯は真っ先にサビてきます。
クレオスのウエザリングカラーの「ラスト(錆色)」を塗りました。

また、余った履帯パーツは、上下にプラ材を追加して、地面に置くバラの履帯を作りました。

ほかにはプラ棒で自作したピストルポート栓を砲塔側面につけたら、最後に車体の前後に泥をつけて完成です。(履帯は、車両をベースに固定してから周囲の地面と一緒に泥を追加します。)

 
   
 
   
   
● 完成までの行程を改めてタイムラプス的に紹介します。
 
 
 
 
 
 
 
   
 

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