L70(A)製作記 その3

L70もいよいよ完成です。自作パーツが多めでしたが、そういうほうが模型作りは楽しいですね。

1 足まわりの泥再現

今回は雑誌の記事を参考にして、ファレホのピグメントをタミヤアクリルの溶剤で溶き、さらにタミヤのウエザリングマスターも粉末にして混ぜて使ってみました。

35のように、全体に筆で塗ってから不必要な部分をこすって落とすという手法では、72だと細かいディティールが埋まってしまうので、筆の穂先でチョンチョンと調子を見ながら塗布していきます。
(履帯と触れている車輪の接地面には泥はつかないので、マスキングしてから作業しました。)

@ 明るい色のパステルやピグメントを皿の上に載せ、アクリル溶剤で溶きながら、車体下部側面の広範囲に塗布しました。

A下半分は濡れた土を表現するため暗い色のピグメントを塗布しました。
上記@の上半分を残すように、下半分に塗布しています。
パステルは溶剤が乾燥すると色が変わる(乾燥して明るめになる)ので、少し塗って乾いた様子を見ながら粉の調合を考えます。

B塗った直後はいい感じなのですが、乾くとつや消しになってしまいウエット感が出ません。
今回は水分を含んだウエットな泥を再現するため、タミヤアクリルのスモーク(クリアカラー)を上塗りしてつやを加えました。

今回使ったファレホのピグメント〜
  73109 ナチュラルアンバー
  73114 ダークスレートグレイ

2 各部パーツの製作@(車体前部)

車体の迷彩が終わって、細かいパーツを追加していきます。
ボッシュライト基部も、形状の良いキットパーツがないので、プラ板で自作したほか、主砲のトラベリングロックもプラ棒で自作しました。
また、各装甲板の接合部は、ケガキ針で溝を深くしました。

3 各部パーツの製作A(車体後部)

車体後部では、普段あまり気を使っていなかった部分に手を入れることで、情報量を増やしてみました。

・エンジンデッキ左右の吸排気グリルのフタを別パーツで再現し、2枚を閉じた状態にしました。

・マフラーは内側の排気管を自作し、外側のスリーブとの二重構造を再現しました。

4 ジャッキの製作

次は10tジャッキです。

重要なキーアイテムだと思うのですが、どのメーカーのパーツも1ピースで成形されていて、なかなか良いパーツがありません。特に両端の形状がイマイチですよね。

ボッシュライトやアンテナ基部と同じく、これも決定版のパーツが欲しいところです。

5 OVMの製作

エンジンデッキ上に予備転輪などのOVMを配置しました。
排気管は茶系の塗料でドットを描くようにして錆を再現しました。

6 エイジング塗装

車体側面にトーマシールドを付けると、いろいろ触ったりできなくなるので、この段階で車体側面以外の墨入れやハゲチョロなどをすませてしまいます。

手順は
@油彩で墨入れ
Aラッカーでハゲチョロ
Bエナメルで雨垂れ
C銀でエッジを撫でる
です。
左の画像はBまで終わった状態ですが、上の画像と比べても、パネルラインなどがシャープになってメリハリがついたのがわかります。

エイジングの詳細は「How to〜」で紹介します。

7 シュルツェンステーの製作

後期型のステーは簡略化のため金属パイプに変更されました。
繊細なパーツですが、金属を使わなくても、しっかり接着すればプラ材でも充分な強度を得ることができ、このほうが自作も簡単です。

パイプは前後が微妙に曲がっていて位置決めが難しいですが、4カ所のうち車体と並行な内側2カ所の位置を決め、まっすぐな状態でプラ棒を接着します。

接着剤が硬化したら、ピンセットでプラ棒の前後を正しい位置まで折り曲げ、その位置と車体との間に合わせてステーを製作しました。

8 トーマシールドの製作

シールドは前後の位置関係を見ながら現物合わせでプラ板を切り出し、これを型紙にして金属メッシュをカットして作りました。
さらに上下の枠をプラ板で作り、金網に瞬間接着剤で固定しました。

パイプ状のステーには、実車と同様にコの字型のフックで引っ掛けてあります。(車体との位置関係はイラストのとおり)

9 ハッチの製作

戦闘室上面のハッチ開口部の形状を修正したため、キットパーツのハッチが使えなくなったので、プラ板で自作しました。

戦車は上面装甲板が薄いのですが、一般的にキットパーツのハッチは厚みがありすぎます。
ヤスリをかけて薄くするという手もあるのですが、エッジがダルかったりするので、むしろプラ板から切り出したほうがシャープなパーツを製作できます。
今回は0.3o厚のプラ板を使い、デバイダーをくるくる回して丸く切りぬきました。

10 完成

完成までの工程を並べてみました。
細部工作と塗装で、こんな風に変化していくのが、模型を作る醍醐味かもしれませんね。

 

 

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