アキリース ベースの製作

今回は久々にグラウンドワークにも頑張ってみたので、細かく工程を紹介してみます。

1 地面の製作

いつものように建物用断熱材のスタイロフォームを11センチ角に切り出し、基本的な形を作ったものに、100円ショップの軽量紙ねんどで地面を造作します。

今回は草の生える位置をわかりやすくするため、マスキングテープを貼って位置決めしました。

2 草の植え込み

マスキングテープに沿って麻ヒモを植えました。

このあと、ハサミを入れて草丈を調整しました。
(草の詳しい工程は「How to〜」コーナーで)

3 地面の追加

@ コルクボードをちぎった破片で小岩を製作
A その周囲にコーヒー粉の出がらしを乾燥させたものをばら撒く (乾燥していてもいい香りがします)
B さらにその周囲に、段差を埋めるように使い捨てカイロの中身を撒く
C 洗剤を混ぜた木工用ボンド水溶液をスポイトで垂らして固定

コーヒーの粉とカイロの中身は粒子の大きさが違うので、地面に変化が出ます。

4 地面の塗装

リキテックス社の「マットメディウム(つや消し)」と、ざらざらした粉末が入っている「レジンサンド」に水性アクリル絵の具を混ぜたもので、地面の調子を整えます。
特に、撒いた粒子の周囲には盛りつけるようにして段差を消します。

5 下草の追加

スタティックグラス2色を混ぜ、木工用ボンドを地面に塗った上からパラパラと撒いて、最後に軽く指で押さえて表面を整えました。
薄い色を多く混ぜ、秋の色味の弱い緑にしてみました。

6 草の塗装

麻ヒモで作った草は、薄い緑を何色かテキトーに塗って、下草に色味を合わせました。

地面はパステルで表面を完全なつや消しに整えました。

   
7 小物の追加

フィギュアの立像をモノサシにして、手前のスペースのアクセントとなるボートを作りました。
実際の船のように、幅1.5ミリの短冊状のプラ板を並べて貼って作りました。

ついつい屋形船のような和風になってしまないように、ディティールの形状に注意して「目分量でテキトーに」でやっつけてみましたが、船の知識が全くないのでちゃんと仕上がったか不安です。

で、HOゲージ用の樹木の幹パーツを持ってきて流木をでっちあげ、ボートと一緒にベースに固定しました。

8 水の製作(第1段階)

ボートのほかに流木や桟橋を作り、黒の塩ビ板で周囲を囲い、少量の青系塗料でほんのり色付けした透明レジンを流し込みました。

流動性の高いレジンが裏側から漏れないように、塩ビの継ぎ目は内側から木工用ボンドで目止めをしておきます。

深い川なら、レジンを半分流し込んで硬化させ、魚や木の葉などをサンドイッチしてさらにレジンを注ぎ足し、水中の浮遊物を再現することもありますが、今回は浅い小川なので特に凝った事はしませんでした。(ちょっと寂しいかなー。)

   
9 水の製作(第2段階)

レジンが硬化したら、リキテックス社の「グロスメディウム」で水のながれを表現します。
…といっても、ながれの方向に何度も筆を走らせ、表面をうねうねとさせるだけですが。

さらに水中から突出している部分には、つや消し白で波頭を描き、水が流れている表現を強調しました。
ここをやりすぎると突然、激流になってしまうので注意が必要ですね。

10 木枠の製作

川の工作が終わって、ベース上での作業がなくなったところで、外周に木枠を作ります。

ベース本体のスタイロフォームに黒の塩ビ板を貼るときには木工用ボンドを使いましたが、塩ビ板に板を貼り、さらにその外側にスソをつけるのは両面テープを使っています。
これは、強度的にも問題ないうえ、硬化を待つ時間が必要ないので、すぐに次の作業に取り掛かることができるという利点があります。ま、瞬間接着剤でもいいのかもしれませんけどね。
テープを使っているということもあり、このあたりの作業は「模型」というより「工作」です。(笑)

また、草を枯れた感じにするため、茶系の色をのせてリタッチしました。

   
11 樹木の製作

木枠には水性ニスを2回筆塗りしてあります。

で、最後にHOゲージ用の樹木の幹とドライフラワーの枝を組み合わせ、シルフローの葉っぱをつけて自作した樹木をベース後方に配置しました。
幹には白を雑にペイントして、路肩表示を再現しました。

最後に前側の低木にもシルフローの葉っぱをばらしたものを周囲に撒いて、とりあえずベースは完成です。

12 ベースの完成

アキリースの実際の配備記録から、晩秋のオランダあたりをイメージしながら、紅葉と冷たい水の色で、秋っぽさを出してみました。
日本の里山ではなく、無事に欧州らしくなったでしょうかね。

 

製作記目次にもどる