ベースの製作3(シャーマン編)

1 車両のウエザリング

このシャーマンは、「ダブルシャーマン」の情景で使ったものですが、踏んで(!)破損させてしまったため、ハッチやライトガードなどの細かいパーツを修復して再利用しました。

前回の情景では、あまり汚しをしていませんでしたが、今回は足回りを中心に少し派手にウエザリングを施しました。

タミヤのウエザリングスティックは少しウエットなパステルのような感じなので、簡単に厚みをつけて盛りつけることができます。
ただ、スティックのまま車体に塗るには太すぎるので、2種類(マッド、サンド)を爪楊枝で少量づつとって、調子を見ながらこすりつけました。

2 ベースへの固定

川部分に100円ショップの軽量紙粘土を薄く伸ばし、別に作って塗装してあった橋脚を木工用ボンドで接着しました。

橋の大きなパーツをしっかり固定するため、車両同様、真鍮線でベースに串刺しにしてあります。

本当はもっと沢山の瓦礫を用意したほうが崩落した感じが出るのですが、なにしろパーツを作るのが大変で…。

3 川の再現

いったんグロスメディウムで粘土の表面を整えたあと、アクリル絵の具で緑に塗装して、さらに何度もグロスメディウムで重ね塗りをして透明な皮膜に厚みをつけることで、川に深みを出しました。

4 配置の修正

私はいつも情景の正面を決めて製作しています。
今回は、画像の左側が情景にしたときの正面になります。

川にメディウムも塗ったあとになって、シャーマンの左側に大きなスペースができてしまい、間延びした感じになるのがどうしても気になりました。

構想段階では、シャーマンの左側には桟橋を作るか、ドラム缶でも浮かせてみようかと思って空間をとってあったのですが、実際に作ってみると、どうもピンと来ません。
今から橋の位置を変えることはできないので、ベースをカットして全体の位置関係を修正することにしました。

カットしたベースは、奥側に再接着しました。

ま、いつもの「行き当たりばったり」のやり方ですね。(苦笑)

5 バランスの確認

チャーチルのベースと並べてみました。

製作記その1で紹介したように、橋の両側をまとめて作っていますが、連結するわけではありません。
ま、イメージとバランスの確認ということで。

6 建物の製作

建物はレミ社のバキュームキットの一部をカットして使いました。

断面はタミヤのエポパテを盛ってから、長方形にカットしたプラ棒でスタンプを押すように強弱をつけながら押し付けて、レンガが崩れた感じを再現しました。

7 端の微修正

最終工程になってベースの周囲に黒の塩ビ板を貼ると、それまで製作してきた地面や川などと隙間ができてしまい、このままでは見たときに興ざめです。

そこで、隙間に木工用ボンドを充填します。

木工用ボンドは硬化すると半透明になるので、実際には地面や川と色が違っていても、隙間がないように見え、情景の完成度が高まります。

下側の画像が、木工用ボンドが硬化したあとのものです。
ね、わからないでしょ。

8 車両の固定

この段階でユニバーサルキャリアもベースに固定します。

ユニバーサルキャリアやシャーマンのような車両は、独軍の千鳥転輪と違って転輪間の隙間が大きいのが特長です。
このような車両の場合、固定用の真鍮を車両の中央に刺すと、転輪の隙間からピカピカ光る真鍮線が見えて、ガッカリしてしまいます。

そこで、真鍮線の位置は転輪のすぐ後ろなど、見えにくい位置になるように工夫します。
 真鍮線は目立たないように色を塗りますが、つや消し黒では色が強すぎて、かえって目立ってしまうので、シャーマングレーで塗装しました。

9 フィギュアの追加

最後に車両の位置関係を見ながら、フィギュアのポーズや配置を考えます。

いろいろなポーズの手足を組み合わせてフィギュアを自作することで、情景の中でのフィギュアの「演技」に自由度が増します。

※全体像はギャラリーで紹介します。

 

製作記目次にもどる