ファイアフライVc製作記 その1

複合車体シャーマンのディオラマの相方は、ドラゴンのファイアフライVcです。
人気のある車両なのに、長らくマッチボックスのキットしかなかったのが不思議ですねー。

製作記の前に、まずはシャーマンの型式一覧なんぞ。あ、シャーマニアじゃないので、簡単なやつです。

名 称 エンジン 車体 英軍名称 そ の 他
M4 ガソリン 溶接 シャーマンT 75o、105o砲
M4A1 ガソリン 鋳造 シャーマンU 前後期車体
M4A2 ディーゼル 溶接 シャーマンV 75o、76o砲
M4A3 ガソリン 溶接 シャーマンW ジャンボ、イージーエイト
M4A4 ガソリン 溶接 シャーマンX 車体延長
M4A6 ディーゼル 複合   米国内訓練用

  ※ 英軍では搭載砲によって、車両名の後ろにアルファベットをつけて区別しました。
     76o砲〜「 a 」、105o〜「 b 」、17ポンド砲〜「 c 」、で、M4A4の車体に17ポンド砲を載せたので、「 Xc 」です。
   では、製作記をどうぞ。

 
1 車体サイズの確認

ドラゴンのファイアフライといえば、35スケールでは車体長や前部の角度などを3回も改修した問題キットでした。

普段は図面とキットを比べたりしないのですが、気になって調べてみると、なんとなく砲塔と機関室の位置関係がおかしいのに、各部の長さや角度を個別に測ると問題なさそうでした。

そこで、複合車体シャーマンを作るときに切りとばしたエクストラテックのM4と並べてみると、ドラゴンのキットは車体上面前端からみて、砲塔リングの位置がちょっと前寄りです。

また、横からみても、リングガード後端で線を引いてみると、バスルのはみ出かたが足りないようです。

2 砲塔位置の修正

修正部分を決めたところで作業です。

リングガードの後端はそのままに、前半分を分割してナイフで丁寧に引っぱがし、前端を1oほど後ろに下げて再接着しました。
あとは砲塔をはめ込む穴の後ろを削って、砲塔の位置を後ろに下げました。

いつもは車体のサイズが1oくらい違っていても気にせず作っています。 今回も「正確な車体形状」ではなく、「砲塔位置の修正」という意味で作業をしました。

3 車体の工作【 砲塔 】

・ 右側の増加装甲形状を直線的に修正
・ バスルに0.5oプラ板を貼って延長
・ 無線機箱は接合部をバスルに合うようにカーブをつけ、後部装甲板はプラ板でリセット
・ ほかには、左上部につく3インチグレネードが出っ張りすぎなのでカットして再接着しました。

4 車体の工作【 車体上部 】

・ 前部ハッチ部の前をボリュームアップし、さらに角を落として丸みを強調。(このあたりは各自のイメージですね。)
・ リングガード内側の給油口カバーをジャンクパーツから移植
・ その後方にあるエンジン消火スイッチ(?)もリセット
・ 機関室パネルはモールドを削ってエッチングをセット

5 車体の工作【車体下部】

3分割されたデフカバーを接続するバルジの真ん中をけがき、分割線を再現しました。
また、左右両端の円形の部分は角を落として丸みを強調し、デフカバー本体との隙間をパテ埋めしました。

車体後部には観音開きの扉がありますが、英軍の場合は、その周辺に牽引用の大型固定金具や煙幕発射装置、ジャッキなどがゴチャゴチャとついています。

これらの周辺装備もきちんと再現されていますが出来がヌルいので、扉を残して削り取るのが難しかしいため、全部削り取ってプラ板でリセットしました。
この段階では牽引金具は基部のみつけてあります。

6 起動輪の工作

見えない内側のパーツには軽め穴が開いているのに、見える外側には開いていません。
そこで…、
@ 内側のパーツ
A 内側パーツの外周を削り取る
B ディティールを追加

C 外側のパーツ
D センター部分のみを残す
E 内側から取った外周を外側パーツに貼る

ドラゴンのシャーマンシリーズには、2種類の起動輪がついているので、削り取った内側には、余ったディスクタイプの起動輪(外側用)を転用しました。

7 基本工作終了

別に作って塗装してあった足回りをつけ、車体上下をくっつけたら基本工作終了です。

砲塔はいつもの「 パテ叩き塗り」で鋳造肌を再現してあります。車長用キューポラは複合車体シャーマンと同様のディティール追加工作です。

また、 フロントフェンダーはウスウス攻撃し、側面のサイドガード基部は、穴がある所にボルトが並んでいたので全て削り落としてあります。

【 おまけ 】
M4シャーマンとの比較

ドラゴンのシャーマンシリーズでは、A4の延長された車体もちゃんと再現され、ボギーの間隔も広くなっています。

ファイアフライはフロントヘビーなので、一番前のサスを沈み込ませる改造をするのが普通ですが、ドラゴンのボギーは全体的に開いているので、今回は改造しませんでした。(実はただメンドーだっただけ)

次回は塗装から

 

製作記目次にもどる