GAZ−67B製作記

トランペッターのフェルディナントの脇役は,ロシアンフィールドカー「GAZ−67」です。

GAZ−67はACEとFORTからキットが出ていますが,パーツはどちらも同じもので説明書には「COLIBRI(ウクライナ)」と書いてあります。オリジナルメーカー名なのでしょうか。(不勉強)
ACEのキットは,国内価格ではFORTの1.5倍以上しますが,フロントグリルや窓枠などのエッチングパーツと,フロントガラスとメーターが印刷された透明シートもついており,また,戦後モデルとの作り分けもできるなど,お得な内容となっています。

ただし,簡易インジェクション(たぶん)のためか,バリが多く,各パーツはしっかりと平面を出してやることと,接着用のホゾがないので,充分な仮組みとすりあわせが必要です。 
「初めて模型を作る」という人には向きませんが,各パーツは折れそうなくらい薄く繊細で,分割もよく考えられていて,「鉄板」でできたソフトスキンの雰囲気をうまく再現しており,東欧キットに慣れたミニスケールモデラーにはいいキットだと思います。

でもこれが中国のメーカーだったりしたら,スライド金型で一発抜きされたりするんだろうなー。

1 車体の箱組み&フロントまわり

 パーツを順番に組んで最後で歪みが出るのがいやなので,仮組みを何度もしながら,バリ取り,平面出しをやって一気に組み,接着剤が乾く前に各パーツの位置を微調整しました。

 フロントグリル左右に逆三角形の部品を薄々攻撃し,車体側面の実車と違う接合面をパテで整形し,さらにボンネット上に伸ばしランナーでゴムシール?を再現しました。

 足回りは,ハンドルを切った状態にするため,サスアームの角度を修正したほか,見える部分だけアームをプラ材で追加工作し,車軸を傾けて接着して,ディオラマにした時に動きがでるようにしました。

 また,ヘッドライト取り付け部の窪みの縁に沿ってプラ板を接着してから薄く削り込みました。

2 インパネ

 キットパーツでは,メーター部分が手前に出っ張ってますが,資料によるとメーターがついたアーモンド型の部分が奥になるようですので,作り替えました。(これも見づらいです。)

3 基本塗装&フロントまわり(その2)

 エッチングパーツをつけた後,あちこち触るのがいやたっだので,先にクレオスのロシアングリーン2で車体を塗装しました。

 フロントグリルは付属のエッチングですが,パルトやエデュアルドよりも薄く繊細なもので,ナイフで簡単に切り離すことができます。説明書によると,戦中モデルはスリット幅のせまい方が正しいようです(タミヤの35では戦後モデルのスリット幅の広いものをモデライズしています)。 車体とのすきまはタミヤパテで埋めました。

 バンパーもエッチングパーツがありますが,折り線上によくわからない穴(折りやすくするため?)が並んであいていて,修正が難しそうだったので,プラ板で作り直しました。

4 塗装その2

 基本色のロシアングリーン2につや消し白を足しながら,2段階ほどドライブラシをしました。小さい車両なので,白で粉っぽくなるとますますオモチャっぽくなるので,つやを残しました。

 足まわりはサスなどをつや消し黒で塗装し,銀でドライブラシしました。 マフラーのタイコは,焼鉄色を塗ってタミヤエナメルのクリアーオレンジでアクセントをつけたところ,「いい色に焼けた抜けのいいスポーツマフラー」のようになってしまったので,さらに茶系で錆を再現しました。

 本当はここでタイヤをつけて形にしてしまいたいところですが,内装をやる時に持つところがなくなるので後にします。

5 内装

 ディオラマでは前からのアングルにするので,細かい造作はしていません。 

 シフトは,伸ばしランナーとエポパテで別に作り,ノブの頭はゼリー瞬接を何度も塗って球状にしました。今流行り(?)のセンターメーターはエッチングとプリントシートです。

 シートは,キット,タミヤの35,レストア車両の写真集と3者3様で悩みましたが,車体色とのミスマッチが赤軍っぽい感じがしたので,キットの箱絵を採用し,赤茶の革張りにしました。 運転席は,運ちゃんと一緒に作るため,取り付けていません。

6 細部の再現&幌

 いつものように,ドライブラシでパーツが飛んだり,モールドが消えることを防ぐため,この時点で細かいパーツをつけていきます。 

 車体前部では,フロントグリルにはエッチングのエンブレムを,バンパー基部にはベースをプラ板で作り直した牽引フックをとりつけました。 また,ボンネット固定金具や取っ手をプラ材で作ったほか,ヘッドライト取付け基部にボルトを追加しました。

 車体後部では,リアシート横にプラ板で自作した無線機セットを置いたほか,幌の骨をプラ材でリセットし,幌と車体側面のドアがわりの布は,エポパテで作りました。また,車体側面の取っ手を伸ばしランナーで作りました。

7 フロントウインド

 キットにはエッチングの窓枠も入っていますが華奢すぎで,またキットパーツの方も断面が四角ですが,資料をみると断面が円形のパイプを組み合わせているようなので,0.5ミリのプラ棒で自作しました。 

 さらに,ガラスの固定金具やルームミラーなどの細かい部品をプラ材で再現したほか,ワイパーも作り直し,運転席側だけとしました。

 こういう部分にどうしても力が入ってしまう自分の性格にも困ったものだなーと思ってしまいます。(苦笑)

8 仕上げ

 車体側面の幌を広げた時に車体に固定するフックをつけた後,塗装をしました。 その後,車体全体を銀で軽くドライブラシして,タイヤブラックのハゲチョロとタミヤエナメル黒と茶による墨入れという,おきまりの仕上げです。 

 ヘッドライトは,ウエーブのHアイズの2.2ミリ径に裏から縦線をけがいたものを,内側を銀で塗装したキットパーツの筐体にはめ込みました。 ホイールハウスとホイールの裏面にパステルをなすりつけてからタイヤを接着してとりあえず完成です。

 

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