ユニバーサルキャリア 製作記 その2

本体の組み立てが終わって、いよいよ塗装→細かいパーツの追加です。今回は車両が小さいので、その分楽しめました。

1 車体の塗装

ユニバーサルキャリアとセットになるチャーチルは、大戦後期のSCC15という少し茶色っぽい緑で塗装しましたが、脇役となるこちらは、混色せずにオリーブドラブだけで塗装します。
明度を上げるため白を混ぜていますが、白を多くしすぎると全体が粉っぽくなってしまうので注意が必要です。

何段階か明度を上げながらドライブラシをかけて、車体の凹凸がはっきりしてくるのは、いつも楽しい瞬間ですね。
一律ではなく面ごとに変化をつけて塗装することで、まだまだカラーモジュレーションにも劣らない立体感が出せると思うのですが、皆さんにはどう映るでしょうか。

ちなみに、まだ室内の造作があるので、この段階ではエンジンカバーは接着していません。

2 足回りの追加工作

車体にボギーを接着する前に、もうひと手間ディティールの追加をします。

0.5ミリ径の六角プラ棒を使って、スプリングの両端に固定金具を追加しました。

小さなキットに小さなパーツが追加されると、ギュっと密度感が増えて見応えが出てきますね。

3 履帯の製作(その1)

ミニスケールの履帯製作はパーツが小さいため敬遠されがちな作業ですが、この車両はいつにもましてパーツが小さく大変そうにみえます。
説明書では付属の治具で先に履帯を組み上げてしまうよう指示されていますが、私はいつものやり方で製作しました。

@ 最初に上部支持転輪の上(○で囲った部分)に2コマを「ハの字」になるように接着しました。 ここがたるみの頂点になります。

A 次に、車輪と車輪に橋をかけるように、両端に接着剤をつけたパーツを接着しました。まず後ろ側のパーツを接着します。
橋渡しするパーツが短い場合は、事前に1コマとか2コマとか接着して長さを調整しておきます。

B そのあと前側にも橋渡しの要領でパーツを接着しました。
このような長さのある履帯パーツは、接着前に指でゆっくり力を加えて曲げ、自然なたるみが出るようにしておきます。

また、各転輪を接着する前に、奥側は土埃を塗装で再現しておきます。

4 履帯の製作(その2)

C 車輪に巻きつくパーツを1ケ1ケ、上から下に向かって接着していきます。
隙間がタイトでコマがうまく接合できない時は、流し込み接着剤を履帯の接合部につけ、パーツが柔らかくなったところで押し込むと、各コマが密着します。

D 最後に下側を接着して完成です。
イッキに作業することで、下側に隙間ができた場合は車輪に巻きつけたコマの間隔を少しずつ広げるなど、全体の調整ができます。

ちなみに、履帯はランナーについた状態で塗装してあります。黒で下塗りをした上に茶系の色を重ね、エッジは銀でドライブラシをしました。

片側の履帯を巻く作業は、概ね1時間でした。

5 エンジンルームの製作

車体後部のエンジンカバーは、他のキットから剥いできたリベットを追加したほか、側面にはパネル開閉用の取っ手もプラ板で再現しました。

車体前部との隔壁中央の金網からは、ラジエターがチラりと見えるので、プラ板と銅線でそれっぽいパーツを自作しました。

6 車体の追加製作

【車体前部】
内側には視察孔のフタのディティールを追加しました。 また、右側面にはバッテリーケースはキットパーツの形状が違っていたのでプラ板で自作しました。
外側には視察孔、リベットを再現しました。

【車体外側】
側面装甲板の周囲には金属パイプが回してあるので、これをプラ棒で再現したほか、抜きテーパーのきつかった車体後部の収納箱も自作しました。
また、無線用アンテナの基部も作りました。

7 追加パーツの製作@

車内でアクセントとなる無線機は頑張ってディティールアップしました。(あまり見えなくなりますが…)

車体後部の防水キャンバスカバーは、いつものようにヤミヤのエポパテを爪楊枝でシワをつけて造作しました。

また、車体上部につくエンフィールドライフルは、キットパーツの出来がヌルかった(画像上)ので、プライザーのモーゼル(画像下)を切り貼りしてそれっぽく自作しました。(画像中段)

8 追加パーツの製作A

運転手のフィギュアも、いつもどおりプライザーのパーツを寄せ集め、エポパテで英軍兵に着替えてもらいました。今回は運転席も狭いので、何度も勘合を確認しながらポーズを決めました。

また、銃手席につく消火器も資料をみながらプラ棒で自作しました。

9 汚し塗装

ジャーマングレーとレッドブラウンでハゲチョロを描き込み、エナメルの黒や茶で雨垂れを描いたあと、最後に金属感を出すためにエッジを銀でドライブラシして仕上げました。

で、完成!

 

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