BM-13N カチューシャ 製作記 その2

車体が形になったので、いよいよ楽しいランチャーの製作です。PSTのキットはどの程度流用できるでしょうかね。

1 作業手順の確認 

ランチャー部は@架台、Aフレーム、Bレールの3つから構成されており、下から順番に製作し、次のパーツのサイズはひとつ前のパーツに合わせて作ることにしました。

サイズの根拠がひとつ前のパーツなので、作業が進むにつれてどんどんサイズや形状がずれていく可能性があります。 そこで、各パーツの製作がある程度進んだ段階で次のパーツの骨格を製作し、車体全体のバランスを見ながら製作することにしました。

2 架台の製作

PSTキットのパーツを見てもよくわかりませんでしたが、実車資料を見ると、架台はベースと可動部の2つから構成されていて、可動部は、後部を支点にして前端が左右に動くことで、発射角の微調整をするようです。

で、これを再現しながら作ったら、キットパーツとは全く別モノになってしまいました。(苦笑)

自作のためにじっくり観察することで、実車の構造が理解できるというのも、模型の大きな楽しみのひとつですね。

3 フレームの製作@ 

フレームはPSTのキットパーツを参考に簡単な図面を描き、ここにプラストテクトの0.9mm径のプラ棒をあてて組み立てました。

まあ、こんな雑なメモでフレームを作るのですが、パーツを組み上げて接着剤が硬化する前にグリグリやって、歪みや角度を修正しました。

4 フレームの製作A

先に作った架台の前後長がちょっと足りなくて、これに合わせて作ったフレームの各部も位置関係がおかしくなってしまい、角度調整のために最終的に3回作り直しました。
このあたりが出たトコ勝負のいい加減さですね。

上下左右の外枠を組み上げてから平面に置いてグリグリやって角度を決め、接着剤が硬化してから内側の斜めの梁を追加しました。

   
   
5 レールの製作@

レールもPSTのパーツをモノサシにして、車体同様、薄くて華奢な感じを強調するため、0.3mmプラ板で作りました。

8枚を切り出してから重ねて開孔するという方法もあるのかもしれませんが、穴の位置を記したプラ板にピンバイスでチマチマと穴を開けていきました。
並べてみると微妙に穴の位置がずれていて、さらに追加で何本か作り直しました。

まあ、なんとか見れる程度の精度に揃えることはできたと思います。
ピンバイス使いすぎて指が攣(つ)るかと思いました。(笑)

6 レールの製作A

苦労して作ったレールをいよいよ並べていきます。
8本のレールが等間隔に並ぶように、プラ角材を使って治具を作り、2本づつこの治具を間にはさんで間隔を決めて接着しながら8本を並べました。

7 パーツの完成

車体、架台、フレーム、レールがそろいました。
いつものように、あとは塗装をしてから細かいパーツを追加していきます。

せっかく頑張って作ったのに、色を塗ってしまうとわからなくなってしまうので、見納めに大きな画像にしておきます。↓

8 車体の基本塗装

車体の下地塗装はミスターカラーbR8オリーブドラブ(2)米軍車両色を使います。
薄めの塗料で塗装〜乾燥を3〜4回、柔らかい獣毛の面相筆で撫でるように塗装を繰り返すと筆ムラも気にならなくなります。

そしていつものドライブラシです。
下地に使ったオリーブドラブに、bS5セールカラー(帆布色)を混色しています。
明度を上げるために単純に白を加えてしまうと、オリーブドラブっぽさが失われる感じがしたので、セールカラーを使っています。あくまでも個人の趣味の問題ですが。

筆はタミヤの平筆を半分ほどにカットしたものを使い、奥まった部分には幅の狭い筆も使い分けています。
ラッカー同士なので下地とうまく溶けあってセミグロスっぽくなり、好みのしっとり感が出ました。
こうやって色を重ねるだけで、とても表情が豊かになりますよね。 塗装の効果は偉大です。

また、キャビン上部の耐火板をミサイルの発射炎で焦げた感じにしたほか、ボロい車によくあるボンネットの塗装の劣化も塗装で再現しました。

9 乗員の追加

@ 運転席側のドアを車体に接着
A 運転手を左ドアに合わせて内側から接着
B 運転手に合わせてハンドルを接着
C 助手席の兵士を接着
D 助手席側のドアを接着

腕と車体のフィッティングを優先したので、シートから体が少しういてしまったので、木工用ボンドを隙間に充填する形で固定しました。
木工用ボンドは時間がかかりますが、硬化するとつや消しの半透明になるので目立ちにくい利点のほか、異素材同士でも接着できて瞬間接着剤よりも衝撃に強く、エッチングの固定にも使えて重宝しています。

10 タイヤの塗装

タイヤの塗装はいつも悩みます。溝が黒いのか、凸部が黒いのか…
今回は以下のような手順で塗装してみました。
@ ホイールを車体色で塗装
A タイヤ部をアイボリーで下塗り
B 黒でドライブラシをして凸部に色をのせる
C タイヤブラックのドライブラシで表面を整える
いかがでしょう?

11 車体の追加工作@

ドライブラシによる車体塗装が終わったので、筆で壊れるような小パーツを追加していきます。

特徴的なグリルガードは各キットのパーツがご覧のとおりなので、リセットすると印象が大きく変わります。
金属加工は苦手なので、最初から0.5ミリ幅にカットされているイエサブの極薄プラ板を使って自作しました。(バーの本数は実車より少なく適当です。)
ライトガード内の金網も丁度良い間隔の金属メッシュが手元になかったので、伸ばしランナーで作りました。

え、ガード歪んでるだろうって?あとでピンセットでねじってダメージ加工するので、これでいいんです。(←いい加減)

バンパーなど各部のボルトはレベル虎1初期型の転輪から流用したほか、グリルを車体前部に固定する留め具も再現しました。
こういう極小パーツを追加することで緻密さがぐっと増しますね。

12 車体の追加工作A

@ 運転席まわり
ドア上部に雨どいをつけました。
運転席の三角窓はガラスが入っているのがわかるように意図的に汚してあります。
ドアは、修理で別塗装した感じにして色を変えて、ボロ車を演出してみました。

A 車体側面
踏み台(タラップ)は、プラ板を針でけがいて木目を再現し、リベットも資料をみながら追加しました。楽しい作業だったので、部分的に頑張り過ぎちゃったかも(苦笑)

「信号待ちの竿竹屋のトラックとBMW」の図(笑)

ホンウエル社製1/72ミニカーと並べてみました。

次回はランチャー架台の工作をして完成です。さてさて、PSTのキットはどこで使おうか…。

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