● 草 の 表 現 

ミニスケールでは建物などのストラクチャーが少ないことが、ディオラマを作るときにネックとなります。
樹木でも、35スケールではドライフラワーをそのまま使ったりもしますが、このスケールでは少し大きすぎる印象です。

今回は、どこでも入手できる材料を使って、スケールに合った草の作り方を紹介します。

1 材料

草の素材として、100円ショップで3玉1セットで売っている荷造り用麻ヒモを使います。
これだけあれば一生分です。

● ポイント
麻ひもをそのまま使うのではなく、よじってある3本をほどいて使います。
ほどいた物はまっすぐではありませんが、よじれの跡が草にした時にちょうどよいカーブになります。

2 基礎工作

建築用断熱材(スタイロフォーム)に軽量紙粘土を薄くのばします。
1日おいて乾燥したら、1.2ミリピンバイスで穴をあけます。

● ポイント
これはテキスト用に穴をあけたものですが、実際には規則的にならないように注意して開孔していきます。
また、全面に開孔するのは大変なので、10〜15ヶずつにわけて作業をしていきます。

3 麻ヒモのカット

ピンセットでつまみ、1センチ程度にカットします。

4 接着

カットした状態のまま、先端にゼリー状瞬間接着剤をつけ、穴に植えていきます。

● ポイント
場所によって太さのちがう物を使っていくと、全体に単調になるのを防ぐことができます。

5 完成?

いくつかを並べてみるとこんな感じになりますが、このままでは刈り取り後の田んぼのような状態になってしまいます。

6 修正

「刈り取り跡の田んぼ」状態を解消するため、真ん中にピンセットを差し込んで放射状に押し広げます。

● ポイント
瞬間接着剤はどんどん固まっていくので、1カ所に植えるごとにこの作業をしていきます。

                  

7 完成

で、こんな感じに。

これを10〜15ヶ程度の開孔ごとに繰り返しながら、必要な面積分の作業を行います。

● ポイント
それぞれの束どうしが重なりあって、根本が見えなくなるようにします。

単純な作業なので、何日かかけてコツコツと進めると、ちゃんと完成します。

8 カット

ワイルドに茂りすぎている場合は、先の細いハサミで長さを切りそろえます。

● ポイント
地面に対して水平にカットすると、草の丈が揃いすぎてしまうので、床屋さんのように縦にハサミをつかうと、長さが不揃いになって自然な感じになります。 

9 仕上げ

かなり薄めた塗料(今回はロシアングリーン2)で全体を撫でるようにして麻ヒモに塗料を染みこませていきます。

別の種類の素材(今回は鉄道模型用のまっすぐな草を使用)を組み合わせて、調子に変化をつけます。

● ポイント
麻ヒモは塗料を吸うと固まるので、筆の撫で方で草のなびく方向を決めます。

10 終了

フィギュアを置くとこんな感じに。

草の高さはフィギュアに合わせ、スケール感を調整します。

 

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