● 迷 彩 表 現 (網 目 状 迷 彩) 

  AFVに限らず,飛行機でもガンプラでも,軍用機材を作ろうとする場合,迷彩塗装は避けて通れません。WWTのタンクから始まった迷彩は,WWUの独軍に至っては,思いつく限りの迷彩パターンのオンパレードで,これをやりたくて模型を作る人もいるくらいです。
エアブラシ全盛の中にあって,お金がない,あるいは主義主張で,筆塗りをしている人の場合,迷彩塗装はひとつの大きな難関ですが,ミニスケールであれば,筆塗りでも充分に迷彩を表現することができます。
冬季迷彩,3色迷彩,光と影迷彩などいろいろありますが,ここでは,ダークイエロー地にダークグリーンの網目状迷彩を紹介します。

1 基本塗装

  溶きパテで表面を荒らしたあと,ダークイエローで基本塗装をします。

  あとで迷彩の仕上げをする段階で,この表面の「荒れ」がポイントになります。

2 迷彩第1段階

  ダークイエローに少量のダークグリーンを混ぜ,車体色よりほんの少し緑がかった色を作ります。

  これを溶剤でかなり薄めて,柔らかい面相筆で迷彩を書いていきます。
 
 迷彩のパターンは資料などをよく見て頭に入れ,あとはイメージでフリーハンドです。 

3 迷彩第2段階

  完全に乾燥するのを待たず,さらに薄めた(ほとんど色のついた溶剤)塗料で,迷彩パターンをひとまわり太く「雑に」なぞります。

 すべてラッカー塗料なので,筆先でブレンディングせず,塗料が勝手に混じるようにします。

 これにより,中心部がほんの少しだけ濃く,周囲は車体の色が透けて見えるような緑になります。 

4 迷彩第3段階

 ダークグリーンを増した塗料を薄めて,上記と同じようにラインをなぞります。

 多少はみ出しても,次の工程でリタッチできますので,あまり気にせずに,全体のバランスを見ながら,思い切りよく作業を進めます。

5 迷彩の調整第1段階

  基本塗装で使用したダークイエローで車体全体をドライブラシします。

 迷彩パターンが気に入らない部分は,ここで修正します。

 溶きパテで表面が荒れていますので,ここにダークイエローの塗料がのって,迷彩の輪郭が丁度よくぼけてくれます。

6 迷彩の調整第2段階

  表面の調子を見ながら,上記をさらに繰り返すことで,ぼかし方を調整します。面が大きな時は,部分的に作業を繰り返すことで,迷彩の濃淡が再現でき,単調になることを防ぐことができます。

  作例ではさらにデカールを貼ってあります。

                  

7 仕上げ

  タイヤブラック(一部はレッドブラウン)でハゲチョロ塗装を施し,エナメルの黒や茶色で墨入れや雨垂れの再現をし,最後に銀でエッジにドライブラシをします。幅広の筆でソフトタッチに行います。 

 自分ではそれらしく見えると思っているのですが,どうでしょうか。

筆の幅を変えれば,径の小さなエアブラシに劣らず,かなり細い線でも迷彩をすることができます。お試しあれ。

大丈夫,うまく塗装できなかった部分は,傷や汚れをつけてうまくごまかせばいいんですから。(←いい加減)

 

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