● 迷 彩 表 現 ( 三 色 迷 彩 ) 

  WWUの独軍では、大戦の後期になると制空権がなくなり、戦術も「攻め」から「守り」に変わってきたこともあり、迷彩パターンも変化しています。独軍車両を作る人(私もですが)は、このバリエーションの多さが楽しさでもあり、また、大変でもありますよね。
今回は基本色であるダークイエローの面積が少ない三色迷彩を紹介します。 緑と茶色のバランスにさえ気をつければ、これは筆塗りでも比較的簡単ですが、塗装よりもその後の調整(ウエザリング、エイジング)に注意しないと、思いっきりおもちゃっぽくなってしまうので注意が必要です。

1 下地塗装

ラッカー塗料は遮蔽力が弱いので、下地色によって仕上がりの色調も変化します。
いつもは発色を良くするため、119 RLM79サンドイエローで基本塗装しますが、今回は少し発色の悪い22ダークアースで塗ってみました。

● ポイント
繊細なディティールが埋まってしまわないように、塗料は薄めにして何回か重ね塗りをしました。

2 基本塗装

車体基本色も、39ダークイエローに62つや消しホワイトを混色していくパターンではなく、45セールカラーを加えて明るくしていきました。
表面がザラザラにならないよう、少しウエット気味のドライブラシで色を少しづつのせていきます。

● ポイント
下地色や基本色の組み合わせを変えると、仕上がる色も変化するので、組み合わせをいろいろ試してみるのも楽しさです。

3 迷彩第1段階

  迷彩のパターンは資料などをよく見て頭に入れイメージを作ったらフリーハンドです。

まず 41レッドブラウンを塗りますが、1回で塗れるような濃度の塗料を使うと、色の境目に段差ができてしまうので、薄めた塗料を柔らかい筆を使って塗っていきます。 

● ポイント
車体色を侵さないよう、途中で筆を返したりせずイッキに塗り、しっかりと乾燥させます。

4 迷彩第2段階

バランスをみながらダークグリーンを塗っていきます。2色とも1回目が終了した段階です。

 多少はみ出しても次の工程でリタッチできますので、あまり気にせずに全体のバランスを見ながら、思い切りよく作業を進めます。

5 迷彩準備完了

3回の重ね塗りでムラをなくした段階です。

迷彩パターンが気に入らない部分は、ここで修正します。

6 迷彩の調整第1段階

迷彩色にセールカラーを混色して明度を上げたものでドライブラシして立体感を出します。

● ポイント
3色ともに共通の色(今回の場合は セールカラー)を混ぜることで、全体の色調に統一感を持たせることができます。

                  

7 迷彩の調整第2段階

今回は境界線がはっきりした迷彩にしたので、、乾燥後、境界部分のはみだしを車体色でリタッチします。

境界がぼけた迷彩の場合は、この段階で境界部分に細い筆でドライブラシをします。
また、このあとさらに点々を描いていくと「光と陰」迷彩にもなります。

● ポイント
暗めの地色に明るめの色でドライブラシをするとこで、色調はちょうど中間の色になります。
境界を描く時にドライブラシに使った色をつかうと、そこだけ地色が完全につぶれるので明るくなってしまうので、ドライブラシに使った色に地色を混色して、境界線の塗り分けをすると、違和感がなくなります。

8 迷彩の完了

全体を車体色で軽くドライブラシして各色をなじませました。 

ま、ひとつ前の段階からあまり変わっていないようにも見えますが、とりあえず色味は落ち着いたと思います。

9 仕上げ

タイヤブラックでハゲチョロ塗装をしますが、イエロー部分では明るく調色し、きつくなりすぎないようにします。緑と茶の部分はタイヤブラックの瓶の色です。

エナメルの黒や茶色で墨入れや雨垂れの再現をし、最後に銀でエッジにドライブラシをします。幅広の筆でソフトタッチに行います。 

迷彩塗装はエアブラシで行うのが一番効果的ですが、たまにはこうやって手順や技法を考えながらゆっくりと塗装を楽しむのもいいのではないでしょうか。 え?ただ苦労しているだけ?

 

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