パンターF型製作記 その1

どのメーカーも、新たにシリーズを始めるときはティーガーやパンターなどの有名どころからリリースしてモデラーの心を掴もうとします。 おかげで、これらの車種は技術がこなれていないうちに製品化されるため、なかなか満足のいくキットに出会えません。 だからと言って、不人気な車両から出して練習して慣れたら本命の車種をリリースしたのでは、そこにたどり着く前にシリーズが打ち切りになってしまうと思いますけどね。(笑)
…というわけで、今回は各キットのイイトコドリでちゃんとしたパンターを作りたいと思います。

 
1 使用キット

現在リリースされているパンターの特徴は…

・レベルの「G」
 パーツがシャープでかっちり。 前面装甲板が変(長い?)という噂あり。
→ 車体の改造が必要
・ドラゴンの「F」
 ダルいモールド。車体は細かいパーツも一体の金属製
→ 金属の車体は改造できない
・ドラゴンの「G」
 Fと同じ型をつかったプラ製の車体。ただしコーティングのモールド済。
→ コーティングがいらいない時はパテ埋め

…と、どれも一長一短です。どうしましょう。(泣)

2 車体の改造@

ちょうどミシリンでも各メーカーのパンターを比較する話題が出て、それによると、ドラゴンのキットは正確なサイズで、レベルの車体前面の角度が寝過ぎているようです。 ちなみに車体前後長は同じで、機関室パネルも両社ともほぼ同じサイズです。

この情報を元に、ディティールのシャープなレベルの車体をベースとし、ドラゴンの車体をモノサシにして車体を改造し、ドラFの砲塔と鋼製転輪を流用することにしました。

いつものように効率の悪い出たとこ勝負の工作に突入です。(笑)

3 車体の改造A

レベルのキットはとても柔らかいプラなので、新品のナイフを使えば力を入れなくてもきれいに切り離すことができます。
まずは車体前、上面を切り離して「パンターの開き」を作ります。

今度はこれを組み立てますが、砲塔基部リングの後ろに1o、前に1.5oのプラ板を追加して、トータルで2.5o車体上面前端を前に出しました。

転輪はドラFから鋼製転輪を持ってくるので、車体下部も軸の径が合うドラゴン製です。
ただ、ドラFは金属製なので、同じ型で出来ているドラGのプラ製を使っています。下部にはコーティングがありませんしね。

車体後面も一緒に、少しずつすり合わせて調整しながら接着していきます。まあ、同じ車種で同じスケールだからといってパーツが合うわけもない事は、ミニスケールモデラーなら驚きもしませんね。(驚かない自分がちょっと悲しい。)

4 車体の改造B

前面装甲板は、長さが正しい車体下部の前端と、延長した上面の前端に合わせるようにしっかりと(無理矢理とも言う)接着します。
また、前面装甲板の上端も長さを調整してあります。

また、車体上面の接合部は、G型からF型になった時に、運転席ハッチの左右から砲塔リングのすぐ前に移ったので、パテで溝を埋めておきます。(水色のライン)

車体側面の前端部分を拡大すると、クサビ形に白いプラ板が追加されていますが、この分だけ前面装甲板の角度が起きたということがわかります。

5 車体の追加工作

装甲板の荒れを再現するため、いつものようにタミヤパテを瓶サフで溶いた「ドロドロ溶きパテ」を使い、硬いブラシで叩きつけるようにして表面に凸凹をつけて、ヤスリで表面を整えました。

車体前方下部はモールドがなくつるんとしていたので、継ぎ目をナイフで彫り込み、ボルトをつけました。

後部左右に2ケついている雑具箱のうち、向かって右側の箱は、キットパーツにプラ板を貼って赤外線暗視装置の収納箱にしてあります。

6 砲塔の製作

・ 車長用キューポラのペリスコープガードが全てばらばらの大きさだったのでレベルから移植
・ 左右のステレオ式測距儀は雰囲気のいいハセガワから
・ 防盾は中央部分の段差をナイフで削ってクッキリと

あとは車体同様「ドロドロ溶きパテ」で表面を荒らします。キューポラと防盾は鋳造なので装甲板よりザラザラにしてあります。

7 足回りの製作

起動輪はドラG、転輪はドラF、誘導輪はレベルGと、いいパーツを寄せ集めました。
また、一部をプライマー色ではなく、ダークイエローにして、大戦末期の寄せ集めて作った車両っぽい感じにしてみました。
…あ、キットもホンモノも寄せ集めか。

車体も、いつもなら基本色で全塗装してから迷彩に入っていきますが、今回はレッドプライマーという濃い色がベースなので、最初からイエローの迷彩色を塗り分けでスタートしました。
車体側面だけに慌ててイエローを塗りたくった感じに仕上げたいと思います。

次回はチマチマ工作をして完成です。

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