シュビムワーゲンは、フジミ（旧ニットー）から１／７６で、ハセガワのミニボックスからは１／７２でリリースされていて、特にフジミはメイン車両のおまけだったので、サイドカーと一緒に何台も作ったという人も多いと思います。

今回は、ミニスケールのシュビムとしては最後発のアカデミーのキットを使います。
私もフジミもハセガワも沢山作りましたので、今回は今まで作ったことのないキットを選びました。
キット自体の評判は、決して良いものではないのですが…。

また、最近小さな車両を精力的にリリースしている「Ｓ-Model」のキューベルワーゲンも用意してみました。
使えるパーツがあればいいなあ。

キットの車体は上下を貼り合わせる部品構成になっていて、車体側面の内側中央に接合線が出来てしまいます。
内側は小さくてヤスリが届きにくく、パテを盛っても表面をなめらかにできないので、薄いプラ板を貼り付けて覆いました。
また、後輪ホイールハウスの曲面も整えました。

室内後部では、エンジンとの隔壁を金属メッシュに変更しましたが、手持ちのメッシュは大味でしたね。　ま、車体自体が小さいということで。（笑）
ついでにフロア部もキットパーツをプラ材にリセットしました。

給油口まわりも形状が違っていたので、フタは切り飛ばして、記録写真を見ながら台座形状を修正しました。
また、ボンネットのカーブやエッジの丸みもイメージに合うようにヤスリがけをして整えました。

フロントガラス基部などもこの段階で切り取ってしまい、形状把握をしやすい素の状態にして、車体全体のバランスをチェックしました。

後輪駆動のキューベルワーゲンと比べ、シュビムワーゲンは４輪駆動で、走破性を高めるためタイヤも幅広のものになっています。（幅広タイヤは物資不足であまり出回らなかったようですが。）

シュビムワーゲンでは、後期生産車はタイヤに合わせてワイドフェンダーになりました。
各スケールを通じて大半のキットは、フェンダーの幅が狭く、前後フェンダーの間をステーで繋げている前期生産車を再現しています。
今回はワイドフェンダーを再現するため、フェンダーにプラ板を貼って増幅しました。

また、フェンダーのペラペラ感を出すため、後端は０．１４ミリ厚プラ板に置き換えました。

車体後部には水上走行用スクリューがあるので素の形状把握が難しいです。
レストア中の写真を見ると、中央のひし形部分が平面になっていて、山の斜面のように周囲から面がつながってくるような形をしています。（言葉で説明するのは難しいですね。）
キットでは全体にへこんだようになっていたので、パテとプラ材で盛り上げて形状を修正しました。

エンジンフード上面では、排気用の穴を開けたほか、四角いプラ板を貼って面の形状を修正しました。

また、キットパーツではエンジンフードは車体と一体成型になっていますが、フードのパネルラインがおかしい（赤線）ので、正しい位置でカットして修正しました。

上がアカデミーのパーツ、下はＳ-Modelのキューベルワーゲンのパーツです。

アカデミーのパーツでは、実車では上下２本のフレームで構成されているアクスル部が省略され、太い１本で再現されています。
また、下のキューベルはちゃんと２本になっていますが、後輪駆動なのでドライブシャフトがありません。

そこで、この２つを合体して、足りない部分をプラ材で再現して、それらしい形にしました。
元の車軸を使うことで、改造後のタイヤの位置決めが簡単にできます。

リアアクスルを作る前にタイヤを作ってしまいます。

【ホイール】
ご覧のとおり、上側２つはホイールの形状も変ですが、タイヤ直径はよさそうです。（細いタイヤなので平板ですが。）
左下のアカデミーはホイールは一番マシですが、タイヤが小さいようです。
そこで、ホイールはアカデミーのキューベルの物を使うことにしました。

【タイヤ】
タイヤは、ドラゴンのウイリスジープのタイヤをレーザーソウで縦に割ったものに、０．５ミリ厚のプラ板を挟んで増幅したものを使いました。
ちょっとトレッド面のパターンが違うのですが、まあ、雰囲気重視ということで。
ブロックパターンは１本１本チマチマとヤスリをかけて彫りを深くしてあります。

【ハブキャップ】
ホイール中央のハブキャップは、前後のタイヤで形状が異なるので、前輪はプラ材で自作、後輪はＳ−Ｍｏｄｅｌのキューベルから流用しました。

幅広タイヤなのでホイールのディスク面もオフセットして奥まっています。
こういうところに無駄に力を入れるのが楽しいんですよね。（笑）

前の工程で作ったフロントアクスルを車体に仮留めして、これを基準として同じ高さ、幅になるように後輪の位置を決めました。

後輪はホイールの中央ではなく、上側にオフセットして車軸がつくので、位置決めには注意が必要です。

ここで塗装に入り、細かいパーツはそのあとに追加していきます。

この分だと製作記も２回で終わりますね。（たぶん）