ホーカータイフーン製作記

1 キットと資料

今回はホーカータイフーンです。
アゴが大きな特徴で、私も好きな機体です。
有名な飛行機なので各メーカーからキットが出ていますが、一番後発でしかも自国モノということで、ちゃんとしたキットと評されるエアフィックスのキットを使いました。

また、エンジン・主翼機銃・タイヤは別売りの3Dパーツを用意しました。
(買ってから気付きましたが、主翼内部はキットでもパーツ化されていたので買わなくてもよかったかも)

資料は英語版はたくさん出ているのですが、日本語ではこの「世界の傑作機」だけのようです。
今回は主役で作り込みをするわけではないので、英語版の本を集めるまではしませんでした。
今はネットに情報があふれていますが、今回は特に1/24のタイフーンのキットの製作記事が参考になりました。(話題性が高いのであちこちに詳細な記事がありました。)

2 機体の仮組み

タイフーンは墜落した機体として製作します。
単に各部品を切り離して地面に置いただけにならないよう、墜落時のダメージを再現していきます。

高射砲の弾幕に入ったのか、敵機の機銃掃射を受けたのか、滑るように軟着陸したのか、何かにぶつかって止まったのか…といった、墜落時のストーリーをいろいろ想像してみて、どこにどんなダメージを加えるのかをよく考えながら作業を進めます。

イメージが固まってからあちこちカットすれば効率的なのですが、手を動かしながら考えをまとめていったので、切りすぎて再接着するなど手戻りも多かったです。
ご利用は計画的に(笑)

試行錯誤の結果、最終的に単に横たわっている姿から、ベースに高低をつけて動きのある情景に決定しました。


今までも航空機は作ってきましたが、完成品ギャラリーに製作途中の説明を少し追記するだけでした。
それはこのホームページのメインコンテンツはあくまでも陸モノであって、それ以外は「気分転換のおまけ」と考えているためです。

今回、タイフーンの製作記があるのは、これは航空機模型の製作ではなく「陸モノ情景の大道具、背景」という位置付けだからです。
他の製作記でのベースや建物、樹木、橋などと同じ扱いで、飛行機の製作記というよりは、ストラクチャーの製作記として書きました。

AFVディオラマの脇役、背景として、どんな表現があるのかというアイディアの1つを紹介することで、他のモデラーさんの参考になればなあと考えています。

3 ベースの製作

ということでまずベースです。
いつもの方式で、スタイロフォームの積層に100円ショップの軽量紙粘土です。
いつも使っている黒の粘土は生産終了になったのか売っていなかったため、茶色を使いました。

上で書いたように機体配置のレイアウトを考えながら粘土を盛ったり削ったりしながら調整して形状を決めてから、アクリル絵の具の黒でザッと塗装しました。

粘土に絵具を混ぜ込んで着色してから使う方法もあるのですが、ベースに盛り付けていく時に指先が絵具で真っ黒になるのがイヤで、あとで塗装する方法にしました。

4 コクピットの製作

@ シートの上部はプラ板で形状を修正

A コクピットは機体の左右から挟み込む形式なので、先にシートや計器パネルの塗装をして、機体の右側に接着して作業を進めました。
  照準器はフレームを追加
  レンズ部はグロスメディウムを盛りました。
  ちなみに@とAはアフターパーツで修正された物が入手できますが、簡単な工作なので自作しました。

B 風防のフレームは弓なりで、一方受け側の機体側の溝は直線のため、風防の先端に隙間ができてしまいます。
  機体側にプラ板を埋めて形状を修正しました。

通常、コクピットは飛行機模型で手を入れる見せ場のひとつですが、今回は機内色が黒であることと、組み上げると内側はほとんど見えなくなることから、操縦かんやラダーペダルなどもつけていません。
ま、脇役ですからね。

5 エンジンルームの製作

3Dパーツのエンジンキットの隔壁と台座を切り離して使用

機体側の隔壁は再現されていない下部をプラ板で自作し、エンジンマウントのフレームは0.6ミリ径プラ棒で自作しました。(内部構造も再現されている1/24の製作記事はとても参考になりました。)

6 胴体の製作@ 前部

歪んだ外板は、薄い金属感を再現するのに適した素材として、100円ショップで売っている厚みのあるアルミ皿(屋外の焼肉パーティーなどで使う4〜5枚入りのやつ)を使いました。

破断面をリアルに見せるため、、エッジを薄くしたりピンバイスで弾痕をたくさん穿ちました。
また、細切りのプラ板でフレームを再現して、破断面からチラリと見えるようにしました。

7 胴体の製作A 後部

機体は途中で曲がった状態を再現するため、いったん切り離してから少し角度をつけて再接着しました。
さらにエポパテでシワをつけて、外板の歪みを再現しました。
(この時点では尾翼はつけるか落とすか迷っていたので、いったん切り離した状態になっていました。)

また、機体側面には無線機収納部分のフタをカットして開口しました。

尾翼は大きく削り取ってから中にフレームを入れ、布貼りの感じを出してみました。
(結局、尾翼はつけることにしました。…まあいい加減ですね。笑)

8 機体の塗装

@ 派手なオレンジ色の3Dパーツは、透過性の高いラッカーでは透けてしまうので、いったんグレーで塗って周囲と同じ色にして下地を整えました。
  その上からインベージョン(侵攻)ストライプの位置を決めるためマスキングテープを貼りました。

A ダークグリーンとオーシャングレーの迷彩はいつものように薄めた塗料を何度も塗り重ねました。
  一度にまとめて塗るとモールドが埋まってしまいますが、ラッカーの塗膜は乾くと薄く縮むので、毎回しっかり乾かしてから重ね塗りすることで埋まるのを防ぎました。

B 実機では、インベージョンストライプはぎりぎりまで秘匿され、現場でいっきに手作業で塗装したため、かなり雑に塗られています。
  その雰囲気を出すために、位置決めのマスキングはこの段階で剥がして、フリーハンドで描きました。
  白黒の塗料をそのまま使うと色が強すぎるので、白い部分は明るいグレーを、黒い部分は濃い灰色をそれぞれ使いました。

この状態ではまだまだおもちやみたいな色合いですが、ここから汚しでリアルな感じにしていきます。

9 リベットの再現

リベットは繊細なので、塗料で埋まってしまうのを防ぐため、いったん塗装したこの時点で施しました。

飛行機模型ではローラー式のリベットを打つ道具がありますが、私は曲面でうまく使うことができないので、デバイダーでチクチクと打っていきます。
実際のリベットはもっとびっちり打たれていますが、あまりやるとクドくなってしまうので、スケールに見合った模型的表現ということで、ある程度間引いて再現しました。
72スケールで脇役ならこれくらいかなと。

10 デーカル

国籍マークは面積が大きいので、せっかく打ったリベットが隠れてしまいます。
人によってはその対策として、国籍マークも塗装で再現する場合もありますが、私にはちょっと難しいですね。

私はデカールも溶けるほど強力な、自動車模型用の「モデラーズ デカールフィット」を愛用しています。
この溶剤は、完全に乾くまで触らないように注意が必要ですが、1日以上放置すると、デカールが下地にしっかり密着して、デカールの上からでもリベット表現が分かるようになります。

念のためさらにもう1日放置してから、上からフラットベースを筆塗りして艶を周囲に馴染ませました。

11 追加工作

@コクピットには透明プラ板で照準器の反射ガラスを追加
Aハーネスは米軍機用のエッチングが手元にあったので流用
  (国が違うのでハーネスの形状もちょっと違いますが、まあ許してください。)

その後、キャノピーを接着し、エナメルのバフで埃を被った状態を再現。

エンジンは伸ばしランナーで配線を少し追加しただけで、あとは塗分けです。(良いパーツです)
プロペラは、欧州キットらしく柔らかいプラだったので、ゆっくり指先で力をかけて曲げました。
スピナー部もナイフで削って凹んだ感じを出しました。

また、銀やジャーマングレーで機体各部にハゲチョロを描いたほか、機体側面には排気管からの煙跡もつけました。

12 機体の固定

機体下面に真鍮線を打ち、地面に刺して固定しました。

次はフランス南西部の地面を作っていきます。

機体上面にインベージョンストライプがあったのは、1944年7月までなので、その時期が舞台の設定となります。

 

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