ベースの製作

主役のフェルディナント,脇役のGAZ−67Bができたところで,いよいよベースの製作です。

ベースの製作記ってあまり見たことがないのですが,技術的によくわからない部分が多く,試行錯誤でやっているので,ぜひ他の方がどうやって作っているかも知りたいです。

1 レイアウトの検討

 スタイロフォームをとりあえず13センチ角に切り出し,完成したフェルディナントとGAZ67をのせて配置を決めます。 今回,車両を作る段階で決めていたのは,「故障で遺棄されたフェルディナント」と「塹壕」ということだけでしたので,ベースにのせてから細部を煮詰めていきます。

もちろん,キットを製作する段階である程度の構成は考えてあるのですが,実際にイメージどおりかを確認し,場合によってはレイアウトを大きく見直すこともあります。

 ディオラマにする時は建物や電柱などで高さ方向の空間演出をしますが,今回はクルスクの平原が舞台ですので,スタイロフォームを重ねて地面に高低差をつけることで,ベースが平板にならないようにしました。接着には木工用ボンドを使用しました。

 

2 基礎作業

 軽量紙ねんど(黒)をベースに盛っていきます。 履帯の跡などはこの時点でつけておきます。レイアウトを再考し,右手前にも高さのある部分を追加しました。

 紙ねんどは乾燥する時に反ったりして変形しがちですが,スタイロフォームが多孔質なせいか,うまく水分が抜けてくれるようで,1ミリ程度の厚さでも,ひび割れなどの変形はほとんどなく,相性がいいようです。  さらに,車両やフィギュアを固定する時も,しんちゅう線をただ刺せばいいので,位置決めがしやすいほか,乾燥すると名前のとおりとても軽いので,この組み合わせは気に入っています。

 ねんどが乾燥する前に,プラ板で作った塹壕の側壁を木工用ボンドで接着しておきます。

3 草の表現

 麻の荷づくり用のひもをバラし,1センチ程度の長さに切り,少しづつの束にして,爪楊枝などで開けた穴に植えていきます。 植林された山のように規則的にならないように注意して植えていきますが,固定にはゼリー状瞬間接着剤を使います。

 これが一番つらい作業で,この状態で約4時間かかりました。 この後,長い部分をハサミでカットして,身だしなみをよくします。

4 塗装

 プラ材で自作した板や草に塗装します。 草は,ラッカー塗料をじゃぶじゃぶに薄めた状態で筆で撫でてやると,毛細管現象で色がつきます。 車両と同じロシアングリーン2を使うとカモフラージュ効果が抜群になってしまうので,ロシアングリーン1と,独軍迷彩用のダークグリーンを使いました。

5 土の表現

 地面は,壁補修剤に水性アクリル塗料の黒や茶と木工用ボンドを混ぜたものを薄く塗り伸ばします。草が先なのは,補修剤が硬化すると硬いので,草を植える穴を開けにくいからです。 また,草の生え際などは,粘土が黒なので塗り残しても目立たないのでアバウトでOKです。 水を多く入れすぎて「ザラザラ感」がなくなってしまい,最後に茶こしをとおした細かい砂利をまきました。ま,出たとこ勝負ですから。(笑)

6 台座

ディオラマには製作者各人の個性が出るものですが,私の場合は,周囲はいつも黒くしています。まあ,あまり深い意味はないんですが, 0.5ミリ厚の塩ビ板(黒)を木工用ボンドで貼っているだけです。  

その後,さらにその上から木枠を現物あわせで作り,水性ニスを塗ってベース自体は完成です。 (地面は色味がうまくいかなかったので,水性アクリルで色をつけました。)

 今回使った材料のうち,木工用ボンド,軽量紙ねんど,パステル,麻ひも,瞬間接着剤,木枠用の木材,水性ニスはすべて100円ショップで購入したものです。100円ショップのアイテムの充実ぶりには本当に感謝です。

7 車両のセット

 車両下部の見えない部分に0.5ミリ真鍮線を固定し,瞬間接着剤をつけたものを,上から「グサッ」とベースに刺し固定しました。  さらに,履帯の残りや車体側面の牽引ロープなどの配置によって,車両をただ置いているのではなく,地面との一体感が出るよう注意しました。 地面と車両の下部にパステルをまぶしました。 

 車体では,フロントフェンダーの留め金具,戦闘室後部のピストルポート栓,車体側面工具箱のフタを追加していきます。

 このアングルではよくわかりませんが,車両後方の草地の面積が大きく,なんとなく間が抜けた感じになってしまいました。何かで空間を埋める必要がありそうです。

8 ストラクチャーの追加

 空間を埋めるため,豆電球のコードで作った有刺鉄線を追加しました。 車両を固定した後でいろいろな工作をするのは手間がかかりますが,ベースとの一体感がさらに高まると思います。

 また,車両が配置された事で全体の色味が変わってきますので,調子をみながらパステルで色調を整えました。

この後,フィギュアを配置してもう一度全体のバランスを見て,さらに土嚢や木箱などのストラクチャーを追加する予定です。 (GAZ67は運ちゃんをつけるため,まだベースには固定していません。)

いよいよゴールが見えてきました。

 

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