4号G型(後期生産車)製作記 その1

今回はサクサク作るので、製作記は短めです。

1 使用キットと資料

今回はG型の後期型を作ります。
擲弾兵をたくさん乗せるので車体表面はあまり見えなくなるので、あまりハードに手を入れないでサクサク仕上げます。

手元にはG型前期型とガルパンのD型改がありますが、ガルパンの中身はほぼH型です。
どちらをベースにするか迷いましたが、ガルパン版はハッチが一体化されるなどキットが簡略化されていることもあり、ドラゴン全盛期のキットで、かなり細かく再現されている前期型を使うことにしました。

前期型と後期型の大きな違いとしては、主砲の長砲身化とシュルツェンの装備…といったところでしょうか。
ドイツ戦車は生産月ごとの仕様の変更も詳細に研究されているので、資料をみて気になる箇所を見つけて修正作業を進めます。

2 車体の製作@(砲塔)

@ 後部雑具箱はフタが別パーツなので開いた形に
A キューポラはペリスコープ部が開いている状態にするためT-34から(!?)流用
  (「T-34から〜」の意味は下で説明します。)
B キューポラ横の信号弾用小ハッチを削除
C 側面ハッチ上部の雨どいは、あとで薄いプラ板でリセットするのでいったん削除
D 側面ハッチのヒンジはレベルの4号J型から流用

また、主砲はL43からH型と同じL48に変更されているので、ガルパンキットから流用したほか、マズルブレーキは左右にエラの張った後期型に修正 

2.5 キューポラのはなし

鹵獲T−34のキットはマニアックすぎるのか、いつも模型店の棚に残っているような印象があります。
このキットは転輪が4種類22ケも入っているので部品取り用に確保しておいたものですが、パーツの中にドイツ軍の3/4号戦車用のキューポラがあります。
しかも、なんと外周のペリスコープ装甲カバーを開いた状態が再現されています。
(箱絵でも描いていないのにパーツは入っているという嬉しいボーナスパーツです。)

手元にある3号や4号のキットは、キューポラはカバーが閉じたものばかりなので、こういうキットにこっそり付属しているのがなんともドラゴンらしいです。
こういうのは共通部品にしてほしいですよね。

3 車体の製作A

【前部】
@ 操縦席前面は視察孔が廃止になっているのでプラ板で塞いだ
A 跳弾板を追加
B 前面の増加装甲はキットパーツが厚かったので0.3ミリ厚プラ板でリセット
C 箱組みのせいで実車にない位置にパネルラインができるのでパテで修正

【後部】
@ 後部パネルはガルパンキットから流用
A 牽引金具と左右の補強材はダルかったのでプラ板でリセット
B 誘導輪テンション調整部は一体成型だったので表面を削り、あとで別パーツ化

車体前部の起動輪基部の形状とか、後部のガルパンから流用したパーツの下端あたりとか、解像度の高い良いキットだと思います。ただ、車体が各パネルに分割されていて、うまく組み上げないと歪んで隙間ができてしまいます。
ある程度イッキに組み上げて、全体をグリグリと調整して勘合させました。

ちなみにフェンダー上のOVMは、フェンダーとのつなぎ目をニードルでなぞって溝を深くして、別パーツに見えるようにしました。

4 ドラゴントラップ

国産キットと違い、海外のキットにはいろいろ問題があることが多いです。
L70(A)を作ったときにも書きましたが、ドラゴンの4号系のボキーは、接着する裏面の窪みに余計な出っ張りがあり、きちんと車体に接着できません。

しっかり仮組みをしていないと見つけられず、パーツがグラグラして??となってしまいます。
金型の合わせ目なのかもしれませんが、内側の両サイドにありますので、ちゃんとナイフで削っておきましょう。

シャーマンの脱腸ボギーといい、ドラゴンは足回りに問題を抱えていますねえ。

5 車体の塗装@(基本塗装)

大きな改造もせず、基本的には素直にキットを組み上げた感じで工作が終わり、塗装をしていきます。
今回は剥げかけた冬季迷彩です。

冬季迷彩の定番技法として、ケープを吹き付けてから一部を剥がす手法があります。
でも、私はミニスケールの場合には塗膜をいかに薄く仕上げるかが重要だと考えているので、なるべく重ねる層は少なくして、乾くと塗膜が薄くなるラッカーだけを使って、それっぽい冬季迷彩を仕上げていきたいと思います。

【第1段階】 
(上側) 301 チャコールグレー
(下側) 119 PLMサンドイエロー

【第2段階】 
(上側) 325 空自グレー
(下側) 21 ミドルストーン  

6 車体の塗装A(剥げ塗装)

【第3段階】 
車体にムラになるようにミドルストーンを塗りました。

【第4段階】 
ミドルストーンが残ったり、透けてみえるようにしたりしながら、空自グレーに62 つや消し白を加えた色で全体をドライブラシしました。

【第5段階】 
(上側) つや消し白90%、グレー10%に明度を上げた色でドライブラシ
(下側) ミドルストーンに45 セールカラーを混色

7 車体の塗装A(仕上げ塗装)

現地で冬季迷彩をしたのであれば、砲塔後部雑具箱の裏側は車体色のままだろうと思い、アクセントにもなるのでこの部分は車体色を残した状態にしました。(ま、ほぼ見えませんが。)

また、油彩による墨入れはいつもなら最後の工程ですが、今回は足回りを次の工程で泥だらけにするので、足回りだけはこの時点で墨入れを終わらせておきました。

このタイミングでフェンダー上のOVMも塗分けておきます。

 

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