パンターG型 カットモデル製作記 その2

素晴らしい内装パーツのおかげで修正や改造の手間が減ったので、いつもなら手を入れないような所を改造する余裕ができました。どんどん暴走しますよ。

1 車体内部の製作@(運転手席側)

車体前部は細かいところに筆が入るよう、車体外板に接着しない状態で作業を進めます。
見える部分を中心に、プラ板などでパーツを追加して情報量を増やしました。  
運転席の計器類は、形状が少し違う気がしたので、プラ板で自作したほか、砲塔の回転角度表示器(?)も自作しました。

前にも書きましたが、製造月や仕様によって差があり、実車の写真を見てもどれが正しいか判断できないものが多くあります。そのため、「間違っている部分を修正した」というより、「自分の納得する形にした」という感じです。
室内パーツはレベル用ですので、ヴェスピッドモデルの車体上部に収まるように、無線機の前後位置を少しだけ修正してあります。せっかく一体になっているキットを、わざわざパーツごとに切り離して改造するなんて、ちょっと罰当たりだったでしょうかね。(笑)

私はラッカー派なのでクレオスのMr.カラーを使っていますが、オキサイドレッドだけは、色味が好みなガイアカラーの塗料を使っています。

2 車体内部の製作A(車載機銃)

このスケールで車載機銃まで見えるのはあまりないと思い、頑張ってプラ板で自作しました。

3 車体内部の製作B(機関室)

車体のプラの厚みの分だけ内側は狭くなっているので、エンジンパーツを何度も仮組みして、現物合わせで位置決めをしました。

左側(画像手前側)の側面隔壁を作るとエンジンが見えなくなってしまうので、大きくカットしてあります。
もちろん、手前側の冷却ファンなどの補器類も置かずにエンジンが横から見えるようにします。

ほかにも下部燃料タンク、誘導輪の張力装置なども自作しました。

4 車体下部の塗装

内側にパーツを入れる前に、足回りの塗装を済ませてしまいます。
各パーツごとに塗装してから接着しました。塗料はいつものレシピです。
  下地色 ダークアース
  上塗り色 ミドルストーン
  さらにドライブラシ ミドルストーン+アイボリー

2列目の転輪のリムは履帯のセンターガイドと接触するため、塗装が剥げて地色が出た状態を再現しました。

油彩で墨入れをしたら、細かい部分のメリハリが効いて、カットモデルにした甲斐がありました。
この先、足回りを泥だらけにすると、せっかくのディティールが埋まって見えなくなってしまいます。そのため、チッピングや泥汚しは、もっとあとの工程になってから、車体全体のバランスを見ながら、どれくらい施すかを考えることにします。

 

5 履帯の製作

履帯はセンターガイドの穴も抜けているOKBの素晴らしい製品です。
柔らかいレジン製なので、ドライヤーで温めるとぐにゃりと柔らかくなるので、車輪に巻き付けて形を整えました。
 (詳細な手順は3突製作記で

OKBの履帯の爪の幅よりも、キットの転輪の横幅のほうが広いため、そのままでは転輪がちゃんと接地しません。
ドラゴンやレベルのパンターのほうが、転輪が薄いようです。
そのため、転輪の裏側で履帯の爪があたる部分だけをヤスリで削って薄くして、履帯にしっかりはまるようにしました。

6 資料の追加

ネット上には膨大な画像があり、詳細な情報を得ることができますが、どうしても見たい肝心な部分の画像だけが見つからなかったりします。そういう時に欧州のモデラーは近くの博物館に現物を確認に行けるのが羨ましいですね。

今回は、キットが詳細な出来なので、逆にしっかりとリサーチしないといけないと思い、この段階でさらに資料本を購入しました。英国のマニアが個人所有のパンターをレストアした記録集です。
レストア車両はA型で、私が作っているG型とは異なる部分も多いのですが、これくらい詳細な画像だと、眺めているだけでも楽しいです。(ま、眺めているだけではキットは完成しないのですが。)

7 車体内部の組み立て@

車体下部は外回りの工作が終わったので、この時点で内部パーツを組み込み、さらに細かいパーツを追加しました。
車内の明るい色の部分は、白にアイボリーを多くまぜ、エルフェンバイン(象牙色)にしました。

無線手席はせっかく一体成型になっていましたが、塗装のためにいったん切り離し、背もたれはドラゴンのsdkfz251から流用しました。
また、席の側面には同じくsdkfz251のMG34銃身ケースを取り付けました。

右側スポンソン部は、隔壁などをプラ板で再現しました。

8 車体内部の組み立てA

エンジン隔壁には、この段階で消火器や配管を追加しました。
3Dプリンターのパーツは、同じ形状の消火器が2本ならんだ形で再現されていましたが、右側の赤い自動消火装置はプラ棒で自作し、左側の独軍車両でよく見るテトラ社の消火器はドラゴンのsdkfz251から流用し、2本を離して接着しました。

また、車内の砲弾ラックは側面のキャンバスカバーも再現しました。
向かって左側の砲弾ラックは、本来ここに使う砲弾を側面スポンソンにあるラックの製作に流用したため、空のままにしてあります。
ま、砲塔バスケットが載ると見えなくなるので問題ありません。

9 砲弾に関する考察

@ 弾頭の問題
APC弾(徹甲弾)とHE弾(榴弾)ではHE弾のほうが長いので、弾頭をカットして別な弾頭パーツを流用して、長さを変えました。
左側面の砲弾ラックは一体成型だったため、本来は車内に使うために砲弾パーツを流用してラックを自作し、情報量を増やしました。 ま、ラックで各砲弾間に隙間が出来て高さが増してしまい、一番上の2ケは固定ベルトのみとしました。

A 薬莢の色の問題
大戦末期になると、鉄製の薬莢が使用されました。
パーカーライジング仕上げの緑っぽい物や、鉄そのままの黒っぽい物もあったようです。
調べましたが、8.8センチ砲では使われていたものの、パンターの7.5センチ砲(Kwk42)では確認できませんでした。
弾頭の色違いのように、薬莢も2種類あったほうが模型映えしたのですが、薬莢はすべて金色で塗装しました。

B 搭載位置の問題
パンターの砲弾は、弾頭長が異なるAPC弾(徹甲弾)とHE弾(榴弾)があります。
作例で混ぜて搭載しているのをよく見ますが、実際の運用では弾種を間違わないように、例えば「車体右側には榴弾、装填手に近い左側には徹甲弾」という感じで、分けて積んでいたのではないでしょうか。 しかし、2種類の砲弾をどのように車内に積んでいたのかが分かる資料を見つけることができませんでした。
結局、模型映えを考えて、私も他の方の作例と同じように2種類の弾頭を混ぜて積んでしまいました。

10 墨入れと汚し

エンジンベイは、墨入れのあとに、油汚れやパステルでの土埃の追加などをしました。
こちらもエンジンが載ったらほとんど見えなくなりますけどね。

車内は油彩で墨入れをしたので、ぼやけていた白い部分にメリハリがついて、右側スポンソン部は、車体下部側面との接合部の溶接跡などもクッキリしました。
ま、車体上部を載せたら見えなくなりますが。(苦笑)

11 エンジンの製作@

エンジンは、製作当初に一体成型の車体から切り離したものではなく、別売りの単体キットを使いました。
72サイズとは思えないほど詳細に細部が再現されており、シリンダーヘッドやカムカバーなど、あちこちが別パーツになっていて、ProfiKit社のレジン製キットと比べても、情報量が桁違いです。
こういう逸品が簡単に入手できる時代になったんですねえ。これだけでお腹いっぱいです。

12 エンジンの製作A

せっかくなので、これら別パーツもカットして、エンジンも部分的に中が見えるカットモデルにしました。
排気管まわりなど、一部はプラ板で作り変えたり位置を修正したりしました。
また、伸ばしランナーなどで細い配管などもあちこち追加しました。
上部のエアクリーナーも中身が見えるようにプラ板を箱組みしたうえでカットしました。

エンジンの製作では、追加で買った資料本に詳細な画像がたくさんあり、多いに役立ちました。
これくらい細かく再現されていると、塗分けをした分だけ見栄えがするので、塗るのも楽しかったです。

13 車体の完成

エンジンを車体に載せ、上部配管をプラ棒で追加しました。

また、エンジン後部にある燃料タンクと、車体左側の燃料タンクはプラ板で箱組みしたものをカットして、底面にはグロスメディウムで液体っぽい表現をして、燃料が入っている状態を再現しました。

さあ、次回は車体上部と砲塔の製作です。あ、フィギュアも作らなきゃ。

 

製作記目次にもどる