フェルディナント製作記 その1

  砲塔もなく部品点数も少ないし,簡単にできるかなーという大いなる期待(誤解?)をもって始めます。

 それでも一応,資料はドイツ戦車を作る人々を最も完成から遠のけると謳われる,ベストオブ悪魔の書籍「アハ・パン」と,35分の1の作例の載った本を少々。

 当然ジオラマにする予定で,なんとなくイメージは出来ているのですが,実際にはこれを製作しながら考えていくことにします。
実車については…ここを読むような人は,私より詳しいでしょうから省きます。(手抜き)
トランペッターの製品を作るのは初めてですが,パーツの切り出しをしてみると,他の輸入キット同様柔らかめのプラで整形しやすいものです。

 ※ 塗料のナンバーはMrカラーの色番号です。

 ● 足まわり

 @ サス,転輪を組み立て,周囲の穴はモールドが甘いので0.4mmのドリルで軽くさらい,起動輪はボルトをプラ棒で大きめに再現し,誘導輪は周囲のボルトと穴を再現

 A ダークアース(bQ2)で基本塗装し,ダークイエロー(bR9)やつや消し白を混色して2〜3段階のドライブラシをします。また,リム部は焼鉄色(bU1)で塗装し銀でドライブラシ

 ● 車体下部

 @ 車体下部側面の装甲板の前端(=車体前部の左右)の形を整えるため,フェンダーの前部を一度カットしてしまい,整形後,0.3ミリプラ板でフェンダーを作りなおします。

 A フェンダーは継ぎ目をすじ彫り,右側はこのラインでカットし歪ませて,滑り止めパターンの再現に定番のタバコの内紙を貼ります。

 B 前部装甲板は省略されているP虎時代の名残であるフック跡をプラ棒で再現します。

 C 車体下部を転輪類と同色で塗装した後,塗装した足まわりの部品を接着します。

 ● 車体前部

 @ 履帯はランナーについた状態でつや消し黒,艦底色(bQ9),銀と塗装し,誘導輪側から接着していきます。右側第一転輪はダメージ再現のためはずし,車軸を再現し,履帯もたるませてあります。

 A 車体前部からエンジンデッキにかけては,各装甲板が複雑に組み合わされているため,大きなパーツは一旦切り離し,プラ板も使って,資料をよく見ながら各装甲板を組み合わせます。

 B 車体後部パーツやフック基部を接着し,パテやヤスリの傷跡を確認する意味もあり,後の発色を良くするため,ベース色としてRLM79サンドイエロー(bP19)を塗ります。

 ● 車体内部

 @ ドライバーと無線手席のハッチを開放するため,プラ板で車内を再現します。
   ハッチから見える範囲は限られており,塗装も暗めにするため,かなりアバウトな再現です。   内部の再現には,Webの「AFV Interiors」を参考にしました。

  A スポンソン部の仕切は車体に接着し,エンジンとの隔壁や床は別に作ります。椅子はジャンクパーツ(フジミのsdkfz251)からで,プラ棒でフレームを再現します。

車内はグレーFS36231(bR17)で塗装し,つや消し白を混色し明るくしていきます。

  B 車体上面板は0.5mmプラ板で,パーツにあわせ開孔しておきます。

  C 戦闘室床面もハッチから見えるので,てきとーに再現します。今回はジャンクから戦車の車体底面のパーツを流用しました。(確かエッシーのキングタイガー)

 ● 運転席

 @ 運転席まわりをプラ板でそれらしく整形します。隔壁の消火器はエッシーのW号戦車から,操舵レバーはフジミ(旧ニットー)のM4シャーマンから流用しました。

 ● 車体内部

  @ 車体上面板のスリットから中が見えるため,シルエット程度に再現しておきます。

  A エンジン部分の隔壁をプラ板で作り艦底色で塗装します。

  B ラジエターファンは,厚みと経がちょうど良かったフジミT号戦車の転輪(!)を流用します。

  C この間にちょうど収まるようにプラ板でファンの駆動軸パーツらしき物を作ります。

  D ファンの駆動パーツを塗装後接着し,左右のスリット部分にはラジエターを再現します。
    色は,あとでスリットの隙間から「何かありそうに」見えるようにするため,焼鉄色と銀で少し派手目にしてあります。

  E 車体上面板は,左右のスリット部はエッチングを接着後,タミヤパテで段差を埋めます。
    中央部分は一回り大きく,別な部品となるように,0.5mmプラ板でエッチングパーツに額縁をつけるように接着後,タミヤパテで段差を埋め,他のキットからはぎ取ったボルトをつけ再現します。前後中央部につく把手は一旦削り取ります。

 中央パネルの左右につく冷却水注水口のフタは,ヒンジが前後逆についていますが,モールドが薄くはぎ取りにくそうで迷っていたところ,「アハ・パン」に一部車両ではこういうのもあったとの力強い説明があったため,迷わずそのままとしました。

 ● 車体上面部

  @ 車体上面部の裏面は,光が透けないように暗い色をで塗装します。

  A 運転席ハッチの開放用ダンパーのバネは,0.3mm銅線を0.5mmシンチュウ棒にまいて作り,ハッチの下に接着しておきます。(ダンパー自体はあとで作ります。)

  B 本来のパーツから削いだ無線アンテナ基部(先端部はあとで作るためカット)を接着し,いよいよ車体にふたをしてしまいます。
   (基本塗装をしましたが,やはり中はよく見えません。)

  どんな風になるのか見たくて,とりあえず戦闘室をのせてみました。 
  その2につづく

 

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